春の気配

朝方強かった風も
御在所山頂に着いた頃から為りを潜め
今では全くの無風です。
春の陽射しを浴び雪の照り返しを浴びて
南部の山々を眺めながらお昼にします。


20110219

先々週のリハビリHikeの後、またもや一週抜けちゃいました。3連休だったというのに。
メールでのお誘いもありこれ以上サボり続ける訳にはまいりませぬ。
前日金曜日も夜9時過ぎまで来客があり、一段落後慌てて準備をする羽目に。

2月19日 車の外気温表示は−0.5℃。もうすぐ3月。暖かくて当然です。Ah,Never the less. Never the less. 正月以降2回の御在所通勤と一度のスキーしか行っていません。今年は例年に無く大雪だったの言うのに。
バカを繰り返さないために、山靴を忘れないよう点呼をかけます。ん?返事が無い。する訳無いやろ。
西寄りの天空には真っ白の満月が煌々と輝き今日の好天を約束してくれています。チョット風が強いかな? それでもその風にも嘗ての身を切るような冷たさはありません。あと一月少々でお彼岸、季節は着実に春めいてきています。

湯ノ山街道を菰野に向かっていると、入道のすぐ右上に大きな月が浮かんでいます。家を出る時にはあんなに高い位置に居たのに今当に山の端に沈もうとしています。少し赤みを帯び、既に明るくなり始めた山の大きさに比べ、その尋常でない馬鹿デカさがいっそう際立っています。見かけ角度32’、その狭角度でさえとてつもなく大きく感じさせる人間の目に今更ながら驚かされます。今日は朝から良いものを見せて頂きました。八百万の神様に感謝!

6:50 a.m. 湯ノ山最奥駐車場着。
ゲゲッ、もういっぱいです。T尾さんが隣の車を少し奥へ移動するよう頼んでくれて、Iさんの車と私の車の2台がなんとか奥のかどに収まりました。ゴソゴソやっていると7時を過ぎています。

7:15 a.m. でっぱつ。

スカイラインの雪は半ば氷と化しています。転ばないようソロ〜リ、ソロ〜リ。
今日は滅茶苦茶良い天気です。少々風が強いようですが気温も高く、なによりこの日射しが暖かさを感じさせてくれます。
この天気なら当然見晴らしの良い中道です。
なんやかやとペチャクチャペチャクチャ。お喋りHikeは愉しき哉。
裏道分岐の下まで来ると背後に鎌が姿を現します。雪の所為か、澄んだ大気の所為か、今日はいやに山々の輪郭がはっきり見えます。頂上直下の白いルンゼを確認したのか、「左俣の雪はどうかな?」以降鎌が見える度に左俣という言葉が聞こえてきます。私ゃ武平峠からエスケープするかもしれないので聞き流しておきます。
足元の雪はガチガチに締まっています。時期的にはもう少し先の方が締まって歩きやすいと思いますが、今日のこの雪の硬さなら大丈夫かもしれません。

7:55 a.m. 岩棚着。

本当に稜線が際立って見えます。余程空気が澄んでいるのでしょう。そう言えば昨日まで雨だったんだ。
尾根筋に出ると西風がもろに吹き付けます。まるで低気圧並み。片足立ちしていると飛ばされそうです。それでもその風が清々しく感じるほど辺りは春めいてきました。

8:25 a.m. 北谷テラス着。

ここのマンサクも蕾はまだ固いです。しかし鈴生りに付いた蕾は今年の春を期待させます。
この先の掘割は固い雪に覆われ皆さんアイゼンで歩かれるのか顕著なステップがありません。そこにステップを付けながらIさんが終始トップで登って行きます。ふ〜、ついて行けませんなあ。
真後ろからの強い日差しにだんだん雪が緩んできます。太陽の力って凄いなあ。考えてみれば地球上の全ての生産活動の源は太陽なんですね。植物の生育しかり化石燃料の生成しかり。大気の循環、海流の循環しかり。全ての命も太陽から与えられたものなんですね。やはり凄くてあったりまえ。

8:40 a.m. 岩稜帯着。

セントレアへの連絡橋がはっきりと望めます。その先、知多半島の向こう岸に一際高い煙突、中電武豊火力です。(競馬の騎手の名前ではありません。)
そしてお隣、釈迦の後ろに広大な白山山域が姿を現しました。遠い所為か少し赤みを帯びています。
この上はルンゼを雪が埋め尽くしルートを選ばずともどこでも歩けます。雪もしっかり締まっています。ここぞとばかりT尾さんは踏まれていないところに枝道を作りながら登ってゆきます。力が有り余ってますね〜。
途中でルートを外し寄り道ばかり。まったく皆さんよいお年をしておバカをするのに余念がありません。おバカその1を筆頭にその2、その3と続きます。寄り道ついでに富士見岩尾根に回りこみます。強い陽射しに半ば腐りかけの雪をラッセルしながら痩せ尾根を展望台下へ。途中の岩のテラスで小休止。南に寄り過ぎると本谷に転落してしまいます。おそるおそる覗き込む本谷には下からロープウェイ。白い鉄塔が一際綺麗に見えます。


9:05 a.m. 富士見岩展望台着。
融けかけの雨氷の向こうに伊勢平野が広がっています。少々強すぎるほどの陽射しを受け、顔の皮が突っ張ってきます。

鎌が見える度、左俣、左俣と聞こえてきます。私ゃ聞こえぬふりして無視無視。

今日は朝陽台をパスして3ルンゼから山頂への到達点経由で遊歩道に出ます。昔お稽古をサボって何度ここから【喫茶ひめつつじ】へ行ったことか。そうか、サボり癖は今に始まった事ではなかったんだ。

遊歩道の下りは凍った雪が張り付きツルツル滑ります。ショベルカーのショベルに塩カルの袋を乗せ、それを職員さんが道路に撒いています。「こういう使い方もあるのか。」と一同感心。でも足元に気を付けていないとスッテンコロリン。

アゼリア横の人工氷瀑はまた一段と大きく育っています。ちびっ子広場の圧雪跡を下って行きます。

かもしかセンター前で小休止。風の陰で直射日光を受けていると動きたくなくなっちゃいます。今日はポカポカ日溜りHike。

望湖台に向かいます。全くの風の陰で暑いくらいです。
三角点から右手の雪稜を行きます。風も治まったようで照りつける春の陽射しに雪が腐り、トレースを外すとズボズボと嵌まり込みます。
それを承知でまた変な所から雪壁を攀じ登っているおバカがいます。


9:45 a.m. 望湖台着。

雪に埋まったブッシュ帯を記念碑広場へ。ところどころ踏み抜いてもがきながら行きます。

記念碑広場で小休止。ついでに私はスパッツを着けます。準備の良い皆さんと違い不精者のtanuoさんはまだスパッツも着けていなかったのです。そして雪原に突入…。皆さんわざわざ行ったり来たり雪原にここぞとばかりに落書きです。

遊歩道から峠道に出ます。
雪の詰まった峠道。あちこち好きなところを行きますが油断するとやはりズボッ。
白い雨乞岳と薄雲を掃いたような青空、そして山の緑も鮮やかさを取り戻しつつあります。たしかに春の気配です。


10:40 a.m. 武平峠着。
今日はかなりローペースです。病み上がりの私に合わせてくれているのか?はたまたあちこち寄道して遊んでいた所為か?
当然お二方はここまで来たからには鎌山頂経由で左俣の下降を目論んでいます。
私は〜、ここからエスケープでも良いのですが、折角ここまで来た事だし、バレンタインの第二ラウンドが鎌山頂で待っているとの誘惑もあり、お二方の後をゆっくりペースで着いて行く事とします。(ホント、食い物にはすぐ釣られるんだから〜。)

出だしの雪壁が楽しいです。わざわざ被っている所を選んで行くおバカもいます。
かなりの雪で夏道跡を行くより左の雪原を行く方が楽チンです。でもあまり寄り過ぎると雪庇を踏み抜く事になります。体重の軽いIお母さんはどこでも平気でひょいひょいと行きます。つられて踏み抜き身体まで嵌ってしまうおバカが現れます。足下を見れば明るい雪斜面が覗いています。う〜、くわばらくわばら。
皆さん身長が1mほど伸びたようで普段は届かない木の枝に引っかかり悪戦苦闘です。
開けたところでふと右手を見ると、明るい薄雲の掃かれた空の下、雨乞岳が白く明るく輝いています。「う〜ん、頑張って来て良かった。」

展望岩下の雪壁の出来具合が例年と少々違います。それに合わせるかのようにまた変な所からおバカ丸出しで登り始めます。
被った所が大好きなおバカさんも最後は木登り。なんでも有りの雪遊び。

11:30 a.m. 展望岩着。
相変わらず雨乞岳が輝いています。鎌北面には真っ白の筋が肩の部分、大木の下からずっと続いています。うん、良さそうです。

例年にない雪の多さを堪能しながらエッチラオッチラ付いて行きます。
源頭部の崩壊した岩壁と深い雪がいつもより一層威圧感を漂わせています。三ツ口ドンツキも綺麗に雪が付き格好の滑り台と化しています。傾斜50度の滑り台、魅力的ですね〜。もうここから降りちゃおうかな? なんちゃって。

思わぬ所に大きく雪が残っていたり、かと思えば意外なほど早く融けてしまった所もあります。今年の雪の着き具合は予測不能です。
源頭部稜線すぐ下にかなり綺麗な雪の斜面が出来ています。丁度良い締まり具合でザクザクと登り降りできます。またここでも皆さん落書きに余念がありません。
頂上直下ではあっちにフラフラこっちにヨタヨタ、てんでに美味しそうなところを選りながら。

12:05 鎌ヶ岳山頂着。

祠は屋根が出ていますが、またお辞儀をしています。祠、鳥居を埋める雪稜の高さはそれらを覆うには充分な高さです。
元気が有り余っているT尾さんは祠と鳥居を掘り起こすのに懸命です。お元気な事です。
顔を出した祠に拍手を打ち南側へ。
朝方強かった風も御在所山頂に着いた頃から為りを潜め、今では全くの無風です。春の陽射しを浴び雪の照り返しを浴びて南部の山々を眺めながらお昼にします。

昼食の後は雪を融かして沸かした紅茶でティータイム。デザートはモロゾフのチョコレート。これにつられて来たようなものです。早速頂きま〜す。お洒落な形を目で味わい、お口で味わい「美味しゅうございます。」

13:00 でっぱつ。
「降りはどこから?」なんて聞いてくるおバカがいます。「このために来たんとちゃうんかい?」御在所の登り始めからもう耳タコです。
降りる前に再度念押しの合格祈願。「ん? T尾さんってもしかして鎌の祠に御百度踏むつもりなのかな?」

長石尾根の下降点から暫く降ると左側斜面が開けてきます。夏場は猛烈な笹薮も今は雪の下。適度な傾斜と締まった雪、もうここから入っちゃいましょ。

最初は締まっていたのに結構潜ります。ズボズボズボズボ、おバカさん達が行く〜♪
あっという間に下降点。雪が多く割りと傾斜が緩くなっています。締まり具合もよく踵がよく食い込みます。ほんの少し降った辺りから急に雪が固くなっています。40度ほどの傾斜で滑ったら止まりません。対岸の岩にぶつかるだけです。つるはしのシャフトを打ち込みながら慎重に一歩一歩降ります。傾斜も落ち雪質も安定してきた辺りから楽しい降りが始まります。もう暫く降り傾斜が緩くなってきた所でT尾さんが尻滑り。なんでもこの為に防水パンツを持ってきたそうです。そう言えばなんだかだらしなく布製の尻皮みたいなものをぶら下げていました。これで納得。
楽しんでいる内どんどん降り、また写真を忘れていた事に気付きます。ここで撮っとく?

楽しい降りもあっちゅう間。出合が近付いてくるとあちこちに雪洞の跡。皆さん中に入って楽しんでおられます。


13:35 出合着。後は三ツ口谷を降ります。時々氷と戯れながら。


14:20 三ツ口ダム通過。

時間的にも結構経っています。体力的にはもう限界です。ふ〜草臥れた。それでも足を延ばして好かったです。結構緊張もしたし楽しめたし。

14:45 a.m. 駐車場着。
朝方満車だった駐車場もガラガラ。入れ替わった車もあります。手前の道路にチラホラと路駐車が停まっています。この辺りまでいっぱい駐車していたという事でしょう。
冬だからといって侮れませんなあ、御在所の込み具合は。
片付け物を済ませ温泉へ。
これがやはりメインイベント?


2011年02月20日15時30分00秒 記

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