お久の小岐須 紅葉いまいち


いまいちの天気の下の稜線歩き、
そこそこ色付いているのですが光線が良くありません。
パッとしない紅葉に
不本意ながらメタボ治療に専念します。


20131109

11月も第二週。季節の移ろいが最近はとみに早くなりました。(←あんたが年食っただけ。)
忘れない内に小岐須にでも行っとこ。てな訳で今日は小岐須です。先週行こうと思いながらついうっかり御在所へ行っちゃったものですから、今日は「小岐須、小岐須」と呪文を唱えながら行きます。でないとまた御在所へ行っちゃいそうですから。まったくtanuoさん、認知症一歩手前のようです。
空は晴れているような薄雲がかかっているような…。まだ薄暗いのでよく解りません。
すっかり日の出が遅くなりました。そうか、あと一ヶ月半で冬至です。暗くてあたりまえですな。

6:40 a.m. 小岐須駐車場着。
静岡ナンバーのワゴン車が一台停まっているだけ。別に覗いた訳ではありませんが中で人が寝袋で寝ています。前夜から来たのでしょう。わざわざ静岡から来るなんて小岐須もメジャーになったものです。というか余程の物好き?
tanuoさんは先ず朝のお勤め。トイレが目の前って便利ですねえ。ついでに石大神でも撮っとこ。紅葉が朝陽に映えます。


6:55 a.m. でっぱつ。
ここに停めたら必然的に野登山から右回りとなります。川原に下りて片側にしか手摺の無い橋を渡ります。橋の上から右側を望むと朝陽を受け山肌が薄紅色を帯びています。朝は清清しいですね。

北側の空は青いですが南側には薄雲が広がっています。今日も早仕舞いしようかな? つう事は仙鶏尾根鞍部からか小社峠からエスケープか。それもまた好し。でもどんどん軟弱になって行くような。
一の谷に沿って滝横を行きます。「あ〜、恐い恐い。」皆さんこんなとこ通って恐くないんですかねえ。

ここを歩くと昔ミスコースした事をよく思い出します。蛭の猛攻を受けそれを避けて歩いている内にミスコースしたのでした。あそこって一体どの辺りだったのかなあ。ようわかりまへんなあ。まあミスコースは若い頃はしょっちゅうでしたが。
最近のNet情報ではミスコースが遭難の原因との事で絶対にミスコースしないように、あるいは必ず元の地点に戻るようにと注意を促しています。
でもチョット違うような気もします。ミスコースなんてしてあたりまえ。するなと言う方が無理です。ミスコースしても修正すれば良い事で、修正する力を養う為にはどんどんミスコースすべきだと思うのですが。こんな事言うとまたどなたかからお叱りを受けそうですが。
ミスコースしたからと言ってそれが遭難って訳でもありますまいに。どこを通ろうが最も高い所へ行けばそれが山頂でありその辺りには必ず道もあります。好事家の間でもてはやされているバリエーションルートだと思えば良い事です。冬なんてどこでもルートとなります。最も安全かつ楽チンなところを選べばそれがその人のルートです。安全かつ楽チンな所を選択する力はやっている内に身に付いてきます。そこは通れる所かリスクが大きすぎるかとの判断は岩登りをしていれば身に付きます。ミスコースを恐れるより行けるか行けないかの判断力を養う方が余程大切だと思うのですがねえ。また時間切れになったらビバークすれば良い事です。岩登りしてたら時間切れ、ビバークなんてごく当たり前です。(いかん、またお叱りを受けそう。)
でもそんな事もあってか、昔の山岳会では岩登りは必修でした。好むと好まざるに拘わらず必ず最低限の知識と技術は叩き込まれたものです。またかなり厳しい会則があり遭難時の誓約書も書かされました。各自が自覚を持ち事故を未然に防げたのはそのおかげだと思います。会には所属せず知識も技術も自覚も無く、勝手気ままにうろつき回って遭難なんて地元にはほんと迷惑な事です。

しょうもない事を考えながら歩いていたらもうマドは目と鼻の先。
高度もかなり稼ぎイワクラ尾根の向こうに鎌の穂先が覗いています。

そう言えばこの辺り、枝道だらけになってしまい、いつも大岩に寄らずにマドに着いてしまうんですよね。じゃあ今日は是非とも大岩経由でマドに行く事にしましょ。
足元だけに目を遣らず大岩を見定めながら行きます。

7:50 a.m. 大岩着。ホント久しぶりです。もう10年近くなるんじゃないかな?

そこからマドへ登ろうとすると道が崩れています。そうかこの所為で皆さん枝道を行くようになったのか。
崩れていても今日は山靴。崩れた土にソールを蹴り込みながら行きます。皆さんソールの柔らかなハイキングシューズだからこんな所が苦手なんですかね。本物の山靴って高いからなあ。

7:55 a.m. マド着。

ここまでずっと日陰でしたが、マドに飛び出すと朝陽に輝く黄葉が鮮やかです。そしてここからずっと日当たりの良い稜線を行きます。この時期ここの紅葉狩りが圧巻なんですなあ。

しかし薄雲の広がった空がバックでは発色が悪いです。ちょっとイマイチ?
高度が上がってくると尾根北側の紅葉が目立ってきます。ちょうど青空が背景となりまずまずの色合いです。

マドから20分ほどで鹿の食害防止ネットに着きます。と言っても今では支柱も倒れネットは地べたで朽ちかけています。猛烈な笹薮も姿を消しなだらかな踏み跡がはっきりとしています。

ここまで来ればもうほとんど傾斜もなくなり平坦な山道を辿るだけ。国見の広場も直ぐです。
南側が開けた所が綺麗です。遠く伊勢の辺りが水墨画のような淡いモノクローム、手前の紅葉と開ききったススキの白い穂が静かに佇んでいます。

広場手前の展望台、数年前に出来たばかりですが組み上げられた丸太の一部がもう朽ちかけています。こんな里山でも寒暖の差が激しく朽ちるのも速いのでしょう。その展望台から伊勢平野を望みます。う〜ん、ここも山水画の世界。


8:25 a.m. 国見の広場通過。楓の紅葉が鮮やかです。枯れ尾花の群落が静寂の中に広がっています。これぞ秋の里山。

先ほどのミスコースの話ではありませんが、わざと道を外し疎林対の中に入って行きます。こうやって道以外のところを通る事で全体の地形が把握できます。イマジネーションを働かせてそして五感を研ぎ澄ませて行くと新たな発見もあり楽しいものです。まるで串田孫一の世界ですな。

ショートカットで野登寺着。柔らかな秋の日差しを受けながら静寂の古刹の探訪としゃれこみます。

本堂右奥からNTT中継所へ登り返します。後は林道を仙鶏尾根入り口まで下ります。
紅葉を愛でながら行きますが発色がイマイチ。色あせた緑とオレンジって補色だから濁って見えるのかな。どうもパッとしません。鈴鹿の紅葉ってこんなんばっかり。

仙鶏尾根に入ります。急な降りの後の急な登り、橋でも架けてくれれば良いのに。なんて考えていてはいけません。メタボ治療、メタボ治療。
紅葉の痩せ尾根を行きます。時折視界が開け紅葉黄葉が目を楽しませてくれます。


9:30 a.m. 最低鞍部着。

さすがにこの時刻ではここからのエスケープは考えられません。仙まで30分程度、ちょっくら行って来るか。
ゼーハーゼーハー青息吐息。メタボの治療だエンヤコーラ。
薄日が射すと辺りの黄葉が輝きます。


9:50 a.m. 山頂手前の展望台着。
すっかり高度を稼ぎ御在所や鎌が望めます。いやあ絶景絶景。


10:00 a.m. 山頂の一角に飛び出します。
今日辿ってきた道程を目で追います。南に目を遣れば遠く伊勢の山並み、伊勢平野が霞んで見えます。足元には第二名神。そこからここまで繋がる黄葉の谷。いやあ絶景絶景。鈴鹿も捨てたもんではありません。

仙の石で朝御飯。朝飯前の一登りいや二登りかな? メタボ治療になったかな?
食欲旺盛でオニギリ1個じゃ飽き足りずパンまで食べちゃいました。これじゃあメタボ治療した分が帳消しやん。


10:25 a.m. 本峰に向かいます。
山頂すぐ手前の道端にはリンドウの蕾。日が射すと直ぐにでも開きそうな気配ですが空は相変わらず曇天。

本峰からの東峰北斜面の紅葉を期待していましたがやはりこの曇天では空振り。写真も撮らずそそくさと小社峠に向かいます。

薄雲は北の方まで広がっています。このまま行くと昼頃から降り出すかも。じゃあやはり今日は早仕舞い。小社峠から降りちゃいましょ。言い訳は「珠にはここから降る道も通らないと道を忘れてしまうかも知れないから。」うん良い言い訳です。

10:50 a.m. 小社峠着。
もう着いちゃいましたか。11時を回っていたら文句なしのエスケープのつもりでしたが、10分も前となると言い訳がし辛いです。こりゃいくらなんでも軟弱過ぎるぜ。
という訳で宮指路までもう一回り。でもここから犬返しまでって三つほど大きな登りがあるんだよなあ。つい調子にのって大変な選択をしてしまいました。
しかし意に反してさほどしんどくありません。ああそうか、朝飯にパン一個余分に食べたおかげか。やはり体脂肪を燃やすより胃袋から吸収した糖質の方が代謝が早いようです。
いまいちの天気の下の稜線歩き、そこそこ色付いているのですが光線が良くありません。パッとしない紅葉に不本意ながらメタボ治療に専念します。

だんだん宮指路の観光名所、三体仏と東海展望が近付いてきます。ランチサイトの犬返しの裏の岩も近付いてきます。いつもこの辺りがきついのは昼前で血糖値が下がっていた所為だったのか? でもそれがメタボ治療には効く訳でして、痛し痒しって所ですな。


11:30 a.m. ランチサイト(犬返し裏)着。

風を避け岩陰に入りエサの準備。曇っている所為か寒いです。この寒さが熱々のカップ麺を一層美味しく引き立ててくれます。寒さも一種の調味料です。
真冬ほど冷たくはないので残量の少ないガスボンベでもそこそこ早くお湯が沸きます。早く使い切って冬前には新品ボンベに替えなくちゃ。
3分待ってから頂きます。「ふ〜、旨め〜。」熱々は最高です。いけね、鼻水が出てきちゃった。ズズズ〜。
カップ麺の後は山の定番、日東紅茶デイリーパック。紅茶が旨め〜。
エサを終える頃になるとまた薄日が射し始めました。あ〜、暖かくて極楽極楽。これからは日溜まりの恋しくなる季節です。し・あ・わ・せ。


12:00 でっぱつ。
温泉が混む前に入る為にも先を急がなければなりません。えらいこっちゃ、えらいこっちゃ。と先を急ぎます。

鞍部からの登り返しがきついですが、なんだ坂、こんな坂。振り返ると風化した犬返しの険。

ヒーヒー言いながら宮指路に到着、そのまま直ぐ下ります。当然最短ヤケギ谷。三体仏も東海展望もパス。どうせ曇り綺麗な紅葉なぞ望むべくもありません。それより温泉温泉。冷えた身体にゃ温泉が一番。(年寄り臭っさ〜!)

半ば小走りにヤケギ谷に突入。黄色い落ち葉が綺麗です。落ち葉のコンチェルトが聞こえてきそうです。

いやになるよなつづら折り、スタコラサッサつづら折り、ドスドスドッスン落ちて行く。落ち葉だらけのカズラ谷、こんな降り方出来るのは、全て山靴のおかげです。スニーカーなんぞ履いてたら、ズルズルズルリン、スッテンコロリンこけちゃいます。いかん、調子に乗っていたら足が攣っちゃった。

下の方まで来るとまだ緑色が多いです。こりゃ下の方はもう2-3週楽しめそうです。

さてそろそろ最後の滝? の筈が見当たりません。それに見覚えのない辺りの様子です。よくよく見ると切り倒された雑木のジャングルの奥にその滝が見えます。「木、切ったんなら片付けとけよな。滝が見えんじゃん。」

ここを過ぎれば林道はすぐ。ダム横から林道に抜け暫く行くと対岸の林道奥に大きな落石。完全に塞がれています。まあ通る車もいないから良いか。

御幣川沿いの林道に合流し大石橋を渡ります。ここから暫く舗装路歩き。う〜、ソールが磨り減る〜。

13:40 駐車場着。

久しぶりの長距離歩行、ちと草臥れました。
トイレでおしっこを済ませ、さあ湯ノ山まで一っ走り。



2013年11月10日18時30分00秒 記

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