やっと来ました鈴鹿の夏

冷たい沢の水が素麺の食感を引き立ててくれます。
同じものを食べてもこういった所で食べると家で食べるより格段に美味しくなります。
おまけに薬味の葱の他、
トッピング用にT尾さんが冷凍保存しておいたコシアブラの御浸しも。
露もお手製昆布出汁です。


20130810

一週抜けて2週間ぶりの御在所。夕べは今年初めて訪れた熱波であまり眠れなかったような。そして本日10日も37℃越えだとか。鈴鹿なら多少涼しいかも知れません。
そして今日はT尾さんお誘いの蛭の巣窟で素麺パーティです。素麺の涼感だけでなく蛭のおかげで背筋も凍りつくほど涼しい事でしょう。
当初はコクイ谷を予定していたのですが、長石谷のイワタバコが意外に早まっているとの事で、イワタバコ鑑賞会も兼ねる為にこちらに変更されました。
巷では本日からお盆休みに入るところも多いようで、多くの人達が本番に出かける筈です。ですから鈴鹿は空いている筈なのでいつも通りの時刻に自宅を出ます。
しかし23号線は思わぬ混みよう。そういえば先週も混んでいました。思わぬところにアベノミクス効果が現れているようです。おかげで7時ギリギリに中道駐車場に到着。急ぎ仕度にかかります。「T尾さん遅くなってゴメン。」
今日は二人用コッファーを持って来たのです。そうです素麺を茹でる為です。余分な小鍋や食器を残し大鍋だけを持って行きます。

7:10 a.m. でっぱつ。

湿度が高く山が霞んでいます。
朝がまだ早い所為か思ったより涼しいです。車が少ないのも暑苦しさを感じずに済んでいるようです。
と思ったのも束の間、登り始めるといきなり粒のような汗が噴出します。やっぱりなあ、これが鈴鹿の夏。やっと本格的な(殺人的な)鈴鹿の夏の到来です。別に来て欲しくはなかったのですが。
登り始めのオオバノトンボソウはもう終わってしまったそうです。イチヤクソウも花の跡の残骸が残っているだけ。

見るものが無いと余計に暑く感じます。ふ〜、死ぬ死ぬ〜。一週抜けたのもこのしんどさの原因かもしれません。
一息入れるのに立ち止まるのも日向を避け日陰に入ります。ジリジリと日に炙られtanuoさん、燻製になってしまいそうです。(食えたもんじゃあありませんが。)

7:50 a.m. 岩棚で一息。

日陰ではありませんが、岩の先端に立つと涼しい風が吹き降ろしてきます。
既に全身汗でベチョベチョ。シャツを脱いできつく絞ると汗が絞れます。まだ濡れ雑巾ほどではありませんが、そうなるのも時間の問題でしょう。
それに今日は早くから口渇を感じます。いつもはあまり飲まない方なのですが、それだけ発汗が多いって事でしょう。休憩ついでに先日買ったテルモスのポカリをグビグビ。「うんめ〜。」
今日も若い人達が多いです。男の子達もお姉さん同様版で押したように黒いサポートタイツに短パン姿です。手始めの御在所通いというのがありありと見てとれます。なにもこんなクソ暑い所へなんぞ来なくても良かろうものを。おまけに足元にはロングスパッツ。蛭対策かもしれませんがあんなクソ暑い事したらtanuoさんなら本当に死んじゃいます。

尾根筋に出てザレ場横にはコモノギク。先日T尾さんがfaceBookに載せていた子です。じゃあtanuoさんも。

T尾さんがこの子達を見つけたのが立秋の日だったそうで、甚く秋を感じたそうです。ちょうどその日はtanuoさんもジブリの「風立ちぬ」を見に行ったのですが、アニメから秋を感じる事は出来ませんでした。
そして凹角上の辛夷の実もすっかり色付き拳まるだし。秋ですねえ。


8:15 a.m. 北谷テラスで一息。

休憩時間がつい長くなってしまいます。それだけ消耗しているのでしょう。こんな調子なら「即、武平からエスケープ。」となるのですが、今日のメインイベントは長石谷のイワタバコ観賞と素麺パーティ。なにがなんでも行かなきゃなりません。キッツ〜。

意識が朦朧としながらも一歩一歩牛歩の如く歩を進めます。滴る汗が目に沁みます。シャツから滴る汗がズボンに滲みて行きます。「風、風をくれ〜。でないと死んじゃう〜。」風の無い掘割道、直射ではないのですが木漏れ日さえも苦痛です。「空よ、曇ってくれ〜。」
そんなにしんどいのなら夏の鈴鹿になんて来なきゃ良いのに、おバカなtanuoさんです。
岩稜帯に出ると突然の涼風。「ハ〜、生き返る〜。」
足元にはコモノギク。チラホラとあちこちに咲いています。

思わぬ所にモウセンゴケ。増えているのかな?


8:45 a.m. 上のテラスでもう一息。
涼んでいるところに登って来た若いお姉さん、一瞬にして開けた眺望に甚く感動しています。
まるで自分の庭を褒められているようで嬉しくなっちゃいます。自分達にとって見慣れた景色でもこうやって喜んでくれる。始めて来た時の感動を思い起こしてくれるようでこちらもハッピーになれます。
二言三言交わしていると写真撮影を頼まれてしまいました。良い思いでになると良いですね。

直下の登りには小さいながらシモツケも咲いています。

これが終わりコモノギクが終わると後はダイモンジソウの季節。季節は秋。その次は雪の季節。こうやって季節は巡りまた1年が過ぎて行きます。
富士見岩で涼んでいるとまた先程のお姉さん。さすがにこの靄では富士山は見えません。冬晴れの時期にまた来て下さいな。そうすれば富士山が見えるかもしれません。
朝陽台経由で自然学校前へ。なにやらイベントの準備をしているようです。
水鉄砲作りやチェーンソーでの木彫実演など夏休みの子供向けイベントのようです。
ベンチに腰掛け脱いだシャツを絞るとまるで濡れ雑巾。よくもまあこんなに汗が出るものです。
T尾さんからプチトマトを頂きます。ほどよい酸味が格別です。そこで空腹である事に気付きます。(年寄は反応が遅いなあ。)朝飯のコンビニオニギリで空腹を満たしでっぱつです。少しは体力回復できたかな?
今日はまだトンボが少ないですが、中には真っ赤に色付いたものもいます。そんな中ひらひらと頼り無げに飛ぶ蝶、アサギマダラです。


9:45 a.m. 望湖台着。

さすがにここまで来ると本当に良い風が吹いています。「もう動きたく無い。」という気持ちを抑えてでっぱつです。素麺パーティが待っている。イワタバコが待っている。


10:20 a.m. 武平峠着。

小用と小休止、いや中休止かな? ついつい休憩時間が長くなります。
用意周到なT尾さんからミネラル補給に塩飴を頂きます。横で休んでいた若い人達が何やら言っています。「糖分が無くても人は動けるけど塩分が無くなると動けない。」
ほんまかいなそうかいな、引越しのサカイ。ロートル親爺はそんな事考えた事もありません。「腹が減ったら何か食えば良い。」それで何十年も過ごしてきましたが動けなくなった事はありません。いやシャリバテには糖分の多い小豆餡が良く効いたと思います。そう、加藤文太郎の行動食、甘納豆なんて最高です。塩というよりミネラルと言いたかったのかもしれませんね。

いよいよ鎌への登り。ここさえ過ぎれば後は降るのみ。水辺の女王様が出迎えてくれます。涼感たっぷりの素麺パーティが待っています。吸血鬼の蛭達がてぐすね引いて待ち伏せしています。
ヒーコラヒーコラ青息吐息、足腰が痛いです。一年ぶりの鈴鹿の盛夏、今日は夏バテ、完敗です。
そう言えばセミも鳴いていません。tanuoさんだけでなくセミも気温が高過ぎて夏バテのようです。


11:20 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。

精魂尽き果てました。長石谷への降りも足が縺れるほどです。陽射しのおかげで吸血蛭も動きが悪いようです。これなら被害も少ないでしょう。それに汗の塩分でしょっぱくなった衣類、これの繊維の隙間から進入出来るほどの根性のある蛭も居ないでしょう。
沢筋に流れが現れだすと早速イワタバコ地帯。独特の形の葉っぱが岩に張り付いています。
そして目を凝らすと、咲いています。かなりの花数ですが傷んでいるものも多いです。やはり今年は時期が早かったようです。来週辺りがもう最後かもしれません。

12:00 初物を堪能したところでいよいよ素麺パーティの準備にかかります。
鍋が小さいので二把づつ二回に分けて茹でます。先ず第一ラウンド。冷たい沢の水が素麺の食感を引き立ててくれます。同じものを食べてもこういった所で食べると家で食べるより格段に美味しくなります。おまけに薬味の葱の他、トッピング用にT尾さんが冷凍保存しておいたコシアブラの御浸しも。露もお手製昆布出汁です。
それに今日の素麺は揖保の糸。ブランド品です。我家でも偶にしか頂けません。
若い頃も夏場の沢筋ではよく冷麦を持って行きました。水が豊富にある所にはぴったりの食材です。お値段が安いので冷麦ばかりでしたが、素麺のこの食感の方がやはり良いですね。冷麦はうどんです。腰があり餅のような粘り気で噛み切り難いのが特徴です。対して揖保の糸のような本物の素麺は軽く噛むだけで麺がプッチンプッチンと自ら切れてくれます。この食感が素麺本来の口あたりとなる訳です。尤も素麺と謳いながらも安物は冷麦同様のうどんですが。
久し振りに本物の素麺の食感を楽しんでいるとあっという間に第一ラウンド終了。第二ラウンドにかかります。その前に、イワタバコの葉っぱを現地調達し麺と一緒に茹でます。御浸しに包んでイワタバコ素麺です。

いや〜、ホント生き返りました。メチャクチャ旨かった〜。
片付け物を済ませでっぱつ前に蛭チェック。うん、大丈夫です。
蛭の巣窟の長石谷を降って行きます。次々と水辺の女王様が出迎えてくれます。が、今日の女王様は年増が目立ちます。

ホトトギスも咲いています。

爽やかな水辺の散歩。この季節はこれに限ります。この天気なら蛭も夏休みでしょう。

アルビノ?中には極端に色白な子もいます。

水際は涼しいとは言え、下界が近付くにつれ気温も上がって行きます。だんだん暑くなり我慢しきれなくなった頃三滝川の渡渉点です。ここで最後の小休止。ふ〜、暑っつ〜。

13:45 駐車場着。
下界は死にそうなほどの猛暑。選りに選って一番暑い時間帯です。
大急ぎで片付けて早く温泉、早く温泉。


2013年08月11日09時32分00秒 記

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