雪中Hike

そのまま峠道へ。
ほんとグサグサですなあ。
もう笑っちゃいます。
雨の後はこんなもんです。
解っちゃいるのに止められねえ。


20130302

腰を傷めたおかげで雪の良い時期に二週連続で欠勤してしまいました。天気も二週とも最高だったのに〜。
今週末も予報では晴れのようです。「じゃあスキーにでも。」と思っていたら金曜の雨、夜になってもまだ降っています。雨の中、倉庫から道具を出すのは億劫です。かみさんに見つかると何を言われるか解りません。「しゃあない、御在所にしとこ。」

朝、ダイニングの窓から外を見ると車に霜は着いていません。「ラッキー!」お湯を沸かす手間が省けました。
外に出ると異様に暖かいです。車に乗り込むと外気温+3.5℃の表示。こりゃ霜も着かんわ。
気温が高いと御在所のコンデションが気がかりです。夕べの雨が暖かく雪がグサグサかもしれません。予報では冬型になるって言ってたのに〜。

6:40 a.m. 温泉街奥の駐車場着。
停める所が無ければ下の道路脇にでも停めれば良いと思っていましたが、まだ3台しか停まっていません。取付道の路側に寄せて停めます。予報が外れ小雪が舞っています。幸か不幸かそのおかげで停められた次第です。

ゴソゴソとやっていたらもう7時を回っています。ホントおグズのtanuoさんです。ぼちぼち出かけましょか〜。

7:10 a.m. でっぱつ。
一体30分も何をやっていたんでしょ?
見上げれば山頂付近に日が当たっています。やっぱり晴れるんかな?

いきなりの急登で息が上がります。そうそう先週は長石からだったので緩やかな登りだったんでした。毎度の事で気にした事も無かったのですが中道って出だしが急なんですね。鎌のカズラ谷道もそうです。昔の人達はこの急登で鍛錬しヒマラヤを目指したんですね。

ロープウェイを潜った辺りから道が凍ってきました。薄く被った雪の下はツンツルリンの透明氷。一度融けた水が凍ったものです。出っ張った所に足を運びます。こうやって頭を使いながら歩いていれば多少はボケの進行を抑えられるでしょう。身体とオツムの老化抑制に御在所通勤は最適です。


8:15 a.m. 北谷テラス通過。
朝方は晴れかけていた空も今は鉛色。細かな雪が降り続いています。今日はスキーにしなくて正解だったかもしれません。道中雪が降っていると必ず渋滞します。遅いからと言って来るなとも言えないし…。この時刻でもまだスキー場に着いていなかったかもしれません。

上の写真、解ります? 平らな地面がスケートリンクのようになっているのが。今日はこんなとこばっかりですわ。
ここから先は斜面に残った微かなステップを拾いながら行きます。アクロバチックな姿勢を強いられます。こんな格好を人に見られたら笑われちゃいますね。なんて言いながら未だにアイゼンを着けないtanuoさんって何だか変? いえいえこれも老化防止策なんです。でもスリップして怪我したんじゃ笑い話にもなりません。「そろそろつるはしでも出すかな?」なんて思いながらもつい惰性で行ってしまいます。ほんにあんたはアホですな。
「そろそろかな?」と頭を上げるとエルガーフェイス。と言ってもこの雪じゃ見える訳ねーよ。

露出した岩を拾いながら岩稜帯を登ります。そして右に回り込むと、「アチャー、ミラーバーンでんがな。」久し振りに緊張します。こんなとこで落っこちたらマジで怪我します。ケツを落としてソロリソロリ。こんな格好女の子には見せられません。←この歳になっても未だ【ええかっこしい】が止められないtanuoさんです。
トラバース道を回り込み上のテラスへ。
「あ〜、恐かった〜。」ホント死ぬかと思っちゃいました。さすがにここでつるはしを出す事にします。
ついでに写真でも。こんな天気だと撮る所がないので意識してどうでも良いものまで撮るようにします。

しかしな〜んも見えんなあ。あの辺に藤内小屋が見えるんだけど…。

同じ氷の斜面でもつるはしを持っているだけで安心感が違います。つい動作が大胆になってしまいます。でも早速スリップ。いかんいかん、もっと慎重に!
しかしこんなことやってたらまた今年も一度もアイゼン着けずに済んじゃうかも。用も無いのに毎週欠かさずよう持って行きますなあ。
そう言えばここ数年ワカンも持ち歩かなくなっちゃいましたなあ。やはり歳の所為ですかねえ。

ガレの下まで来ると薄日が射してきました。一瞬回りが輝きます。う〜ん、綺麗綺麗。しかし一瞬にしてまた灰色の世界へ。

「クソッ、今日は一枚も青空が写ってねーじゃねーか。」こうなったら意地でも青空が撮りたいです。
待つこと?分、一瞬明るくなったところをパチリ。

撮ったのは良いのですがすっかり冷え切ってしまいました。写真家の人達って凄いですね。よくこんな寒さ冷たさを耐え忍べるもんです。tanuoさんにはとても真似できません。
冷え切った身体を温める為、ガレ場を直登します。トレースを外すと奈落の底に沈んでしまうので外さないように。それでも時々ズブズブズブ…。

8:55 a.m. 富士見岩着。

風が強く吹き飛ばされそうです。体感温度も低いですが気温自体はやはり高めのようです。
朝陽台へ向かいます。
つるはしを持つ右手の指が冷たいです。不精して手袋の中でグーにしてたらズルッ。ここも被った新雪の下はそこらじゅうスケートリンク。
朝陽台から遊歩道を行きます。気を抜いて歩いていたら、スッテンコロリン。モロに尻餅を搗いてしまいました。ここも新雪の下はスケートリンク。降りは慎重に、慎重に。しかしケツが痛かったなあ。ついた手の指も突き指したみたい。そしてこのスケートリンクは延々と続いています。道路横の雪の軟らかい部分を選んで歩きます。御在所は過酷な所です。北アより或る面ではこちらの方が厳しいです。なんちゃって。
遊歩道からそり広場へ抜けて降って行きます。ムムッ、雪面がツルツルに凍っています。滑り出したら止まらない〜。7-8mほど滑って行っちゃいました。こけないように腰を落としてバランスをとります。尻餅搗くとさっき打ったケツがまた痛みますから。
しかしこの雪、もう春ですね。そうか、明日は桃の節句でした。

自然学校前で小休止。従業員の方々がそり広場のコンデション造りに追われています。「カチカチで歯が立たないなあ。」なんて言ってます。あんなジュラルミンのシャベルじゃ無理に決まってます。そう言えば暫く前に山用のシャベルを物色していたらジュラ製しか無いようでした。昔あった鉄製シャベルってもう売ってないんですねえ。そうです、軽量化の為パンチングで1cm×2-3cmくらいの長円形の穴が規則正しく並んだやつです。色は赤が一般的でしたね。凍った雪からブロックを切り出して雪洞を掘ったりイグルーを造ったり、防風壁を造ったり。そのためには鉄製のシャベルでないと用を為しません。
今日は日も射さないし、じっとしていると寒いので先を急ぎます。
踏跡が凍り歩き難いです。まるでデブリの上を歩いているようです。かといってトレースを外すとズブズブズブ。潜るよりマシか。
相変わらず曇っていて雪が舞っていますが時々青空が覗きます。青空撮りたし陽射しも欲しい。おっ、待てば海路の日和あり。いや山路ですな。

ダメモトで望湖台へ。ショートカット出来るかな? と雪に埋もれたブッシュ帯に踏み込むとズブズブ。やはり今日はダメですね。雪に埋もれた階段を行きます。三角点手前のアシビは葉っぱも花芽も雪で固められています。こんなになっていても壊死することなく春になれば花を咲かせるんですから凄いですね。

三角点から望湖台へ雪尾根を行きます。この辺りは風が強い所為か結構締まっています。どこもかもこれくらいだと良いのですが。
よく締まっていたら地獄谷から降りてコクイ谷から武平へ戻ろうかと思っていましたが、このコンデションではチトしんどいですね。


9:30 a.m. 望湖台着。

思ったとおり雨乞岳は雲の中。雪も降ってるし風も強いし、顔も手も冷たいし痛いし、もう引き揚げましょ。
解っていながら記念碑広場へショートカット。思った通りにズボズボ踏み抜きます。
踏み抜く度に硬いモナカの皮が向こう脛に当たり同じ所が痛いです。
這う這うの体で記念碑広場へ。ここからまたもやショートカット。踏み抜かないようにそーっと足を乗せながら半分滑らせながら。こちらは割りと締りが良く大した消耗も無く遊歩道へ。

そのまま峠道へ。
ほんとグサグサですなあ。もう笑っちゃいます。雨の後はこんなもんです。解っちゃいるのに止められねえ。
峠道に入ってからがまた悪夢。幸い先週のトレースが残っていたのですがその跡を辿っても潜ります。先週はこの程度で済んでいたって事はまあまあ快適に降れたんでしょう。これだけ消耗させられるとまた笑っちゃいます。
峠手前まで降って来ると雪が少なくなり歩き易くなってきました。ハ〜、草臥れた。


10:15 a.m. 武平峠着。

当然の事ながら鎌はパス。ここからエスケープですがグサグサ雪はまだ続きます。
朝御飯も食べていないし、腹減った〜。どこかでお昼にしたいなあ。でも風は強いし、粉雪が吹きつけるし、お日様出てこないし。
スカイラインに抜けると今までにも増して風が強くなります。雪もかなり降っています。今日は晴れじゃなかったの?
正面に西多古地の滝が見える筈なのですがご覧の有様。これでも雪が少なくなるのを待って写したんですよ。

西多古地谷の手前まで来るとゴーゴーと滝の音が聞こえてきます。この気温じゃ凍っている訳ないわなあ。しかしこの音、水量も半端じゃないようです。昨日の雨って大雨だったんでしょうね。

表道に合流し東多古地のダム横を降ります。こちらも凄い水量です。
スカイラインを潜るところで名案。石垣の上、橋の下と言うより橋の中、ここって風も弱いし雪も降り込まないし、絶好のランチサイトではござんせんか。
早速攀じ登りお昼の仕度。ちょっと暗いし埃っぽいけど今日のような日には最適です。
今日のメニューはどんべいてんぷら蕎麦。「ふ〜、暖かくて、んめえ!」
人心地つくと峠道での名誉の負傷箇所が痛んできます。こけて手をついた時に打った掌の痛み、モナカに足を取られて打った向こう脛、滑って打った膝頭、今日はやけに負傷箇所が多いです。じゃあ早く湯治に行かなくっちゃ。
暗い所から出ると世界が明るく感じます。灰色の世界がこんなに光に満ち溢れていたなんて!
修行場跡で感謝のお参り。

三ツ口ダムへ抜けその下、凄い水量です。まるで台風の後みたい。水音も半端じゃありません。それでも渕の水が綺麗なのは冬の所為かしら〜♪


11:35 a.m. 車に帰着。
今朝いた車が入れ替わっています。みなさんお早いんですねえ。
片付け物を済ませでっぱつです。
今日はどこの温泉で湯治するかなあ? マロニエホテルはまだやってないし、彩向陽はチトお粗末だったし…。
鹿の湯ホテルの駐車場が空いてたらそこ。空いてなかったらグリーンホテルにしましょ。だんだんパターンが決まってきちゃったかな?

彩向陽って特徴的なドームの塔がある建物だったんですね。あれってどこからでもよく目立ちます。謂わば湯ノ山のシンボルタワーのようなもの。温泉に入って初めて知ったこの事実。じゃあもっと贔屓にしてやっても良さそうなものを…。


2013年03月02日22時35分00秒 記

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