野分吹きて 紅葉震える 仙鶏尾根

風が強く、日陰の中の緩やかな歩きでは寒くて堪りません。
傾斜が強くなるとゼーハーゼーハー言いながらも身体が温まりその方が有難いです。
野分吹きて 紅葉震える 仙鶏尾根 なんちゃって。
ひとしきり登り詰めると展望台。
一息入れ写真撮影。ここまで来ると鎌、御在所も望めます。


20121110

今日は素晴らしい日本晴れ。昨年の記録を見ると、11月半ばでも御在所中道は大渋滞。
君子危うきに近寄らず。凡人ではありますがtanuoさんも危うきに近寄らず。先週に続き今日も浮気の小岐須峡。

6:35 a.m. 小岐須峡キャンプ場の駐車場着。
キャンプ場のトイレに駆け込みます。ここはトイレが近くて便利です。
トイレから出ると正面の石大神が朝陽に輝いています。紅葉が色を沿えとても綺麗です。

車に戻り仕度をします。流石に今日は山靴です。外は寒いので車の中で履きます。相変わらず不精な人ですな。
それに今日は長袖の肌着も着てきました。子供のCW-Xも履いてきました。もうすっかり冬仕度です。

7:05 a.m. でっぱつ。
さすがマイナー小岐須峡。一番乗りが私で仕度している間に2台が停めただけ。奥の大石橋には既に何台か停まっているかもしれませんが。

一の谷新道から右回りという事で御幣川へ降りて行きます。
川原を覆うように張り出した木の葉が朝陽に輝いています。まだ紅葉には少し早いようです。

登り始めると早くも大汗。冬装束はこの時期はまだ早過ぎます。やはり上着は脱ぎましょう。シャツ1枚になっても格好悪くないように肌着丸出しのシャツではありません。外見重視のtanuoさんはこれも考慮に入れてカラーシャツを着てきました。
シャツ一枚では少し寒いですが大汗かくよりましかな? 但しもう年ですから低体温にならないように気を付けて。

この時期はもうヒルの心配も無く安心して歩けます。昔から石灰質の所はヒルが多いと言いますね。ここも例に違わず夏場はヒルの巣窟となっています。
黙々と歩いている内に傾斜が立って来ました。滑り易い砂地も山靴なら安心して歩けます。今日は山靴で正解でした。スニーカーではこの先もズルズル滑りまくった事でしょう。
傾斜が急になったという事は窓はもう直ぐ。高度が上がると風も強くなりシャツ一枚ではきついです。手もかじかんできた事だし、ここらで上着を羽織ります。ついでに手袋も。年がら年中入れっぱなしなので手袋を忘れて困るなんて事は絶対にありません。不精者万歳!

8:00 a.m. 窓着。
振り向くと真正面に入道。その右に鎌。間に御在所が覗いています。ええ天気やなあ。
風が強く寒いですがこの陽射しが温かみを提供してくれます。おまけに黄葉をもえあがらせてくれます。

急な尾根道の登りも冷たい風が冷やしてくれ快調です。筋肉細胞も自己発熱で温度が上がるとエネルギー効率が下がるようです。インタークーラーで体液が冷やされ、暑さに弱いtanuoさんはこれからの時期は絶好調です。

傾斜が落ちてきたら鹿の食害ネット。これを超えれば国見の広場は目と鼻の先。

樹林帯を抜けるともう国見の広場。昨年造られた木組みの展望台に寄道します。
おや? 御嶽山が冠雪しています。その左には乗鞍も。

この辺りの楓は紅葉する前に枯れてしまったようです。赤が少ないなあ。
赤を求めて山頂、国見石へ回ります。

8:40 a.m. 山頂着。

ここから野登寺へ紅葉狩りしながら行きます。

さあそれでは鶏足山野登寺のお参りです。

お参りの後は本堂横から無線中継所へ上がり舗装路を仙鶏尾根へ。
山頂一帯の紅葉は今が真っ盛りですが風が強く寒〜い。


9:05 a.m. 車道から仙鶏尾根への下降路へ折れます。
ここの降りは植林帯の中で薄暗く、いつも【箱根の山】の歌が頭に浮かびます。そして気が付けばをれを口ずさみながら歩いています。
次の登り返しがきつくブツブツとその歌を歌いながら登っているtanuoさんって人が見たら気持ち悪いでしょうね。

箱根の山は天下の険 函谷関も物ならず
万丈の山 千仞の谷 前に聳え後にささふ
雲は山をめぐり 霧は谷をとざす
昼猶闇き杉の並木 羊腸の小径は苔滑か
一夫関に当るや万夫も開くなし
天下に旅する 剛毅の武士
大刀腰に足駄がけ 八里の岩ね踏み鳴らす
斯くこそありしか 往時の武士

ブツブツ言っている内にピークに達していました。今日は涼しさのおかげで絶好調です。
このピークを過ぎれば緩やかなアップダウン。あとしんどいのは仙鶏乗越からの登りだけ。

しかし急な登りが無くなるともろに風が当たるようになり動いていないと寒くて堪りません。先週と違い暖かな陽射しがあるのが救いです。

9:35 a.m. 仙鶏乗越通過。
結構崩れが進んでいます。その度に枝道が作られて行きます。

風が強く、日陰の中の緩やかな歩きでは寒くて堪りません。
傾斜が強くなるとゼーハーゼーハー言いながらも身体が温まりその方が有難いです。
野分吹きて 紅葉震える 仙鶏尾根 なんちゃって。
ひとしきり登り詰めると展望台。一息入れ写真撮影。ここまで来ると鎌、御在所も望めます。

展望台からは最後の登り。丁度南面の風の陰になりポカポカです。そして山頂の一角に飛び出します。


10:10 a.m. 仙の石着。

紅葉を愛でながら遅い朝食にコンビニオニギリ。
風が強く寒いのでジャケットを羽織ります。
小休止の後、本峰へ。寒いのでジャケットを羽織ったまま。


10:40 a.m. 仙ヶ岳本峰着。

そのまま小社峠へ降ります。

前方には山頂から中腹にかけて錦絵が広がっています。結構ええ色やん。


10:55 a.m. 小社峠着。

今日は早仕舞い予定なのでここから降りるつもりでした。しかしまだこんな時刻。それにここからの道って嫌になるほど単調で長いんですね。で、私あまり好きじゃないんです。
「宮指路まで行っちゃえ行っちゃえ。」誰かが誘惑しています。意思薄弱なtanuoさんは、「じゃあ行っちゃおうか。」

あっさりと予定変更したのは良いのですが、やはりこの尾根、アップダウンがきついです。ジャケットを脱ぎ身体を冷やしながらエッチラオッチラ歩を進めます。
痩せ尾根に這い上がり視界が広がると辺り一面見事な紅葉です。(鈴鹿にしては。)

振り返ると朝登ってきた野登山、仙ヶ岳があんなに遠くなっています。そして前方右手には宮指路が近付いています。観光名所の東海展望、三体仏も大きく見えています。

大きなピークも過ぎ、後は小ピークを2つほど越えればリザーブ中のランチサイト。年がら年中リザーブ中で行っても行かなくても席を空けて待っています。

さあいよいよです。あの上が私のリザーブシート。ちょうど犬返しの裏(南面)です。


11:35 a.m. 犬返しのピーク着。
岩の陰に入り風を避けます。お〜昼だお昼〜だ、さあ食べよ〜♪
ポカポカ陽気で気温も上がったのかジャケットなしでもさほど寒くはありません。
正面、山の北側で真っ黒の日陰に浮き上がるように紅葉が光っています。小岐須峡から一の谷新道の谷、マド、野登りへの稜線、車道、仙鶏尾根、仙ヶ岳、と歩いてきた道のりを目で追います。

裏手から東側には宮指路の山体がどっかと腰を下ろしています。三体仏がアライ谷を隔てて真横に立ち並んでいます。


11:55 a.m. でっぱつ。
小社峠からのアルバイトで少々遅くなってしまいました。少し急がなくっちゃ。
犬返しの険もかなり崩壊が進んでいます。数年前、ガレ斜面にコンクリートを吹き付けていましたが、あんなもの屁の突っ張りにもなりません。高額な税を注ぎ込んで何をやってるんでしょうね。いいのかケインズ経済学ではお金を流通させるのが主目的。成果物には期待する必要は無いって事ですね。
崩れれば迂回路を造れば良い。事実草付き側に新しい道が出来ています。こりゃ歩き易いわ。
その下のガレの巻き道、こりゃチト恐いです〜。久し振りにtanuoさんもびびっちゃいました。ここもいずれは南面側に迂回路を造る事になるでしょう。


12:10 宮指路山頂着。
ものの15分です。大きく離れているように見えても鈴鹿の山はやはり小さいです。
じゃあ馬乗り岩へでも寄道しましょ。

馬乗り岩の背中を進みだすと凄い風。飛ばされちゃあ堪りません。君子危うきに近寄らず。凡人tanuoさんなら尚の事、途中でへっぴり腰で引き返します。「あ〜、恐かった〜。」

山頂へ戻り、後は一目散でヤケギ谷を降ります。三体仏も東海展望もパス。だって逆光で仙も綺麗に撮れないですから。それに夕方のデートに遅刻しちゃあかみさんから大目玉です。世の中で一番恐いもの、それはなんと言っても【おかみさん】。

谷に入ると風も和らぎ急に暖かくなります。見上げれば黄葉、紅葉が光り輝き眩しいくらいです。地面には黄色やオレンジの落ち葉がいっぱい。それが黄色のスポットライトに照らされています。カサコソカサコソと乾いた音を立てながら駆け下ります。

滑りもせずこうやって確実に制動が効くのはビブラムのおかげ。スニーカーではこうは行きません。やはりヘビーデューティーに山を楽しむなら季節を問わず山靴が適しています。
調子に乗ってドスンドスンと駆け下っていたら足裏が痛くなってきました。アカンアカン、もっとペースを落として。

13:15 大石橋着。
あまり汗をかいていない所為かオシッコ。今日はよく出ます。水も500mLの半分程度しか飲んでいません。それでも出るって事は水分過多になっているって事でしょう。やはりtanuoさんの身体はラクダと同じ。体脂肪を水に変えているのです。ダイエットできたかな〜。
大石橋PにはT尾さんの車。職場の人とご一緒で入道-宮指路と言ってましたが池ヶ谷から上がったようです。これなら林道歩きも無し。最も楽チンなコース取りです。
そこで気が付きました。私ゃまだこれからキャンプ場の駐車場まで歩きゃなきゃなりません。ゲゲッ、靴のソールが磨り減る!
夏場はスニーカーでソールの温存を図っていたのに、それが若干無駄になってしまいます。山道具に回す予算が無いまるビのtanuoさんは我が身の貧しさを恨めしく思いながら、そっとアスファルトにソールを当てながら抜き足差し足林道を下るのでした。いと哀れなり。


13:35 駐車場着。

何なの? これって。駐車場は満車です。溢れた車が路駐しています。ついにマイナー小岐須もメジャーになりましたか。
御在所の混雑は推して知るべし。この時刻から湯ノ山の温泉に行ったのでは完全に遅刻です。汗が気持ち悪いですが今日は温泉はパス。お家の【水道水温泉田圃の湯】に入る事にして自宅へ直行です。


2012年11月11日10時50分00秒 記

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