秋風に誘われて PartV

ここからまた登り。
見る影も無い大昔の廃墟の跡が続いています。
朽ちた真っ直ぐの木材が束ねられており、
辛うじて人為的なものである事を窺わせます。
マムシ草、つわもの共が夢の跡。なんちゃって。


20121020

今週末も好天。紅葉狩りにはまだ少し早いですが山頂辺りはそれなりに色付いている事でしょう。
天気が良いと早朝から駐車場は満杯かもしれません。料金所跡に停めれたら御在所から愛知川に降り雨乞岳まで足を延ばすのも良さそうです。停められなかったら武平峠まで行きそこから雨乞岳、イブネ、愛知川から御在所と回るとしますか。
行き当たりバッタリのtanuoさんにしては珍しく計画的ですな。
いつも通りの時刻に家を出たのに若干遅れ気味です。料金所跡より手前の路側帯にはもう駐車してあります。という事は…、料金所跡は既に満杯、その先の路側帯も満杯。今日は特に人出が多いようです。それでは予定通り武平まで。
武平峠はまだ空いていました。道路沿いも空いていたのでこちらに停めます。


7:00 a.m. でっぱつ。
今日は寒いです。長袖シャツ一枚では肌寒いですがすぐ身体も温まるでしょう。
来週辺り冬物カッターが要るかな? 出しておかなくっちゃ。
ここから登るのは久し振りです。最近は降りもイップク峠からばかりなのでなんとなく新鮮です。
クラ谷へは向かわず郡界尾根を沢谷峠へ。

7:45 a.m. 沢谷峠通過。
滅茶苦茶良い天気です。色付きはイマイチですが青空に淡い紅葉が鮮やかに映えています。

冷んやりとした大気と柔らかな木漏れ日。秋ならではのハイキング日和です。急登にもあまり汗をかかずバテる事もありません。軽快に歩を進めて行きます。

急な痩せ尾根のピークを過ぎ傾斜が落ちると三人山。なだらかな斜面をカサカサと乾いた音を立てながら登って行きます。

三人山から尾根伝いに降り、鞍部から登り返します。

ひたすら登り続け疎林帯が切れる頃、傾斜が落ち山頂が近い事が解ります。でもここから東雨乞までまだけっこう距離があるんですね。
振り返ると正面に御在所、その右に鎌、鎌尾根を辿って行くと遥か彼方に野登、仙。

日当たりの良い所には大きなリンドウの蕾。まだ日陰で開いていませんが日が当たればすぐ開くでしょう。

山頂が近付くと元気な笹が道を塞ぎ道を失うほどです。今時珍しい元気さです。露をたっぷり含んだ笹でシャツがベタベタ。濡れると急に冷えます。こんな事に深まる秋を感じます。
笹を掻き分け掻き分けしていると東雨乞の山頂に飛び出してしまいました。
「あっ、センブリ観損ねた。」 でも濡れた笹薮の中に再度突入する気にはなれず。今回は諦めます。三ツ口ダムのすぐ上に群落があるから今度通った時に観賞する事にしましょ。

9:00 a.m. 東雨乞着。
涼しいので喉も渇きませんが休憩ついでに水分補給。ついでにオニギリで朝食。賞味期限切れ7時間のオニギリです。
360度の展望をおかずに頂きま〜す。

雨乞本峰までの笹は綺麗に刈られています。これなら濡れる事もありません。う〜ん、楽チン。
足元にはまたリンドウ。こちらは半分開いています。

あちこち脇見しながら行きます。


9:25 a.m. 雨乞本峰着。

杉峠に向かいます。露に濡れた笹で肩が濡れます。靴も染みてきました。刈ってなかったらもっと酷い事でしょう。ジャケットを出そうと思いながら、すぐ笹は切れるからと不精なtanuoさんです。

時々ガサゴソと間近で音が聞こえます。暫くすると「ピーヨ、ピーヨ。」 鹿です。秋は良く鹿の鳴き声を聞きます。恋の季節?
滑り易い道を降りて行きます。スニーカーでは辛いです。「あ〜、雪があれば楽なのに〜。」


9:45 a.m. 杉峠通過。

そのままイブネへ向かいます。

ジネグで枯れた笹原、地面には枯れた笹の根のおびただしい残骸。それがところどころ杉苔に埋まっています。こうやって植生が移り変わりまた笹の時代がやって来るのでしょう。

疎らな踏み跡を辿ります。途中で佐目峠へ折れます。


10:15 a.m. 佐目峠通過。

ここからまた登り。見る影も無い大昔の廃墟の跡が続いています。朽ちた真っ直ぐの木材が束ねられており、辛うじて人為的なものである事を窺わせます。
マムシ草、つわもの共が夢の跡。なんちゃって。

そうこうしている内、イブネの平頂峰に飛び出します。

10:30 a.m. イブネ着。
北端に向かいます。笹が消え新たな植生に覆われたイブネの原はどこでも通れます。が昔の道を探しながら行きます。だって必要以上に踏み荒らす事ないですもんね。

ムムッ、スミレまで咲いています。

もう北端が近付いてきました。なだらかなピークに雑木が生えたクラシが望めます。

10:40 a.m. イブネ北端着。
クラシ谷を挟んでクラシ、その彼方の向こうに釈迦を仰ぎながら燃料補給。賞味期限切れ8時間40分のオニギリで。

ついでに望遠で遊びます。霊山の右奥には伊吹山。東には御在所。いつもとは反対に今日はこちらから見ているんですね。おやっ、望湖台の上に人が沢山立っています。


10:55 a.m. でっぱつ。南東尾根を降ります。
降り始めると黄色の梱包紐があちこちに結び付けられよく目立ちます。数m間隔で結び付けられており、これじゃあ迷いっこありません。
しかし途中から尾根の南面を巻くように付けられています。どうやら道になっているようです。
「へえ〜、こんな巻き道があったのか。」

しかしその道に導かれコクイ谷出合より上流の愛知川に出てしまいました。小峠へ出てそのまま降り上水晶出合の対岸に出るつもりだったのに。
コクイ谷出合から上水晶出合まで愛知川を降りそこから御在所、武平峠ではかなりの時間ロスです。
「まっ、良いか。コクイ谷から武平へ降りちゃお。」水が低きへ流れるようにtanuoさんが軟弱コースを選ぶのは造作も無い事です。
かくして今日も大幅短縮。楽チン大好きtanuoさん。


11:50 a.m. コクイ谷出合着。

ここでまた賞味期限切れのオニギリを頂きます。すでに10時間近く経過しています。

12:00 でっぱつ。
秋の沢歩きも良いものです。いや昔は沢と言うと秋の渇水期を選ぶのが普通でした。ジェネレーションギャップをつい感じてしまうtanuoさんです。
靴の裏しか濡らさずに遡って行きます。昔はこれが基本だったのですがねえ。相変わらずバランスが良い方かな? と自惚れている還暦+2歳のtanuoさんです。

中州の大石、今までは右岸側を流れていましたが今日は左岸側に流れが変わり大きな渕が出来ています。結構荒れたんですねえ。
乾いた大気、清冽な流れ、鮮やかな紅葉、そして柔らかな紅葉からの木漏れ日。今日も大儲け。Low Costで存分に楽しめる、こんなにハイパフォーマンスな遊びは他にありません。

気が付けば既に黒谷出合は通過していました。次の沢谷分岐でコクイ谷と別れ沢谷の滝を見て雨乞分岐の釜跡へ。

また今日もイップク峠から降りようっと。

13:30 車に帰着。
帰り着いた頃にはここも満車。スカイライン滋賀県側にも路側帯からはみ出し停まっている車が数台。

この辺りの混雑はまだまだ続きそうです。じゃあ来週はそろそろ宮妻峡に逃げ出しますか。


2012年10月20日23時00分00秒 記

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