急に御嶽が見たくなった。

砂ザレをそのまま滑り降ります。
ちょっとしたグリセード気分。
乗鞍もどんどん大きく姿を現しています。
これだから山は止められませんわい。ムヒヒヒヒ〜。
つい先日ブログの方にも書きましたが、何故山に登るのか?
オモシレーからに決まってるじゃないですか。


20120825

今年の夏休みはどこへも出かけず仕舞い。まあこんな年もありますわなあ。
休み明け後慌ただしく一週間が過ぎ、気が付けば金曜の夜。またまたメタボ予防(否、治療でした。)の週次業務日。
「急に御嶽が見たくなった。」「木曽福島からは山道。」「足のいいやつ。」なんてフレーズが頭に浮かびます。
…これが解る方ってかなりのお年寄りです。かれこれ40年近く前のものですから。
じゃあ気持ちに素直になって行動に移しますか。

4:00 a.m. 自宅出発。
千葉真一だって夜通し東名をすっ飛ばして来たのだからこれくらいの早出は苦になりません。まして当時は中央道も無かった時代です。
おまけに当時の車は高速安定性が高く、巡航120kmくらいがやっとでした。
深夜或いは早朝なら下道でも自宅から田の原まで3時間。7時ちょい過ぎにはでっぱつできる筈。と言うのは30年前の話でした。未だにその刷り込まれた情報から抜け出せないtanuoさんはやはり○知症?
中津川まではほぼ順調でしたがそれ以降の19号線にはけったいな車がいます。追越できる数少ない登坂車線で右車線を塞いで左車線の車と並走しています。ホントいい加減にして欲しいわ。結局田の原着は7時20分。それからトイレに駆け込んだら満杯。そう言えば大駐車場もかなり下まで車が停まっていました。お盆も過ぎたというのに賑やかな事です。「帰り渋滞しないかな?」

7:40 a.m. でっぱつ。
夏休み中とは打って変わって滅茶苦茶良い天気です。こんな天気は午後の雷が心配ですが気温も低くとても清々しいです。「やはり鈴鹿とは一味も二味も違うなあ。」

駐車場を出ると早速この辺りの定番の花が出迎えてくれます。それに青臭い匂い、ハイマツかササでも刈ったかな? おかげで亜高山特有のあの香ばしい匂いが感じられません。

冷んやり爽やかな大気、この湿度の低さも鈴鹿では全く味わえないものです。「う〜ん、やっぱり鈴鹿は山じゃないなあ。」似て非なるものと言う言葉がピッタリです。

歩き始めると早速後頭部がジリジリ。慌ててハンカチカーテン。紫外線の強さも半端じゃありません。防護していても後でヒリヒリします。してなきゃどうなる事やら。

日向で撮る写真のコントラストも強烈です。これぞ山の光線です。

8:30 a.m. 檻に入ったお不動さん着。
相変わらず檻の中から恐い顔してこちらを睨んでいます。
振り返ると雲海の向こうに中央アルプス。左端、将棋頭の隣には甲斐駒が覗いています。富士山は? まだ見えません。
足元にはお化けオトギリ。鈴鹿のオトギリとは比べものにならないデカさです。それにこちらの方は葉っぱ付いた返り血(斑点)も少ないです。

無茶苦茶良い天気。山はこうでなくっちゃ。雨の中歩いている人達の気が知れません。

ぼちぼちイワツメクサが現れだしました。オンタデも。ん?もう花が散ったのかな?

久し振りの高山で息苦しいです。若い頃はこんな事感じた事は無かったのになあ。年と共に心肺機能は低下するんでしょうね。
心して空気を吐き出すように歩きます。ヒ〜〜、ハ〜。

9:15 a.m. 一口水着。

あんなに良い天気だったのにもうこの辺りはガスが出てきました。日射しが和らぐと寒いくらいです。
お腹も空きました。休憩ついでに朝飯にコンビニオニギリ。
再度歩き始めると岩陰にイワギキョウ。山頂には嫌になるほど咲いている筈ですが初物という事で一枚パチリ。
その横には花弁がまだ残っているオンタデ。


9:40 a.m. 大のぞき着。

天気は良くてもガスが湧くのはあっちゅうま。

10:00 a.m. 王滝頂上着。
祠に拍手の後防風壁の外へ。風は有りません。その所為か剣ヶ峰もガスを纏っています。

上を見ると精神的に草臥れるので足元だけを見つめ黙々と歩を進めます。エッチラオッチラ、ヒ〜〜、ハ〜。
前を見なくても足元だけで今の位置が解ります。登りが急になるともう旭館、階段を上がり小屋前を右に回ると最後の階段。冬場は透明氷の滑り台になる所です。途中の踊り場を過ぎると後40段程で山頂です。足元だけを身ながら1,2,3,4…。「着いた〜。」

10:20 a.m. 剣ヶ峰山頂着。
祠に拍手。今年もやってきました。後何年続けられるかな〜?

一口水で遭った修験者が祝詞を上げています。途中でも何度か法螺貝の音が聞こえていました。まだ若い人ですが何を生業としているのでしょうね。きっと定職に就きながら休日にこういった業を積んでいるのでしょう。

お参りの後は北端へ移動し北アルプス詣で。おっとっと〜、雲で見えまへんがな。
狭い山頂は足の踏み場も無いほど。殆どが若い山ガに山ボ。ジジババ、少なくなりましたね〜。不細工な体型が目に飛び込んで来るより引き締まった体型が目に飛び込んで来る方が美的にも宜しいようで。

山頂からの景色を味わった後はお鉢巡りの開始です。社務所横を通り抜けて、ん? いつもはガスで覆われている地獄谷が今日は綺麗に見渡せます。しかし凄い所ですねえ。自然のオブジェ、スカルプチャー。

尾根一本隔ててこれまた対照的ななだらかな景色。

途中から一の池を横断し外輪山北端に登り返します。あまり真ん中近くへ行くと底なし沼に入り込むので要注意。靴が抜けなくなっちゃいます。

乗っ越すと眼下に広大な賽の河原が広がっています。降り始めると二の池が覗いています。あっ、ガスが切れ正面に乗鞍が覗いています。

下り始めると二の池が大きく見え始めます。二の池雪渓の上のザレ場、コマクサの群生地ですが、まだ咲いています。もうこの時期は完全に終わっているだろうと諦めていたのですが儲かった気分です。時期が時期だけにもう殆ど草臥れ果てているだろうと思いながらも道を外し近付きます。
ん? まだけっこう綺麗じゃないですか。こりゃまた良い気分。予期せぬ御嶽山からのプレゼントに気分も高揚します。これだから山は止められません。

砂ザレをそのまま滑り降ります。ちょっとしたグリセード気分。
乗鞍もどんどん大きく姿を現しています。これだから山は止められませんわい。ムヒヒヒヒ〜。
つい先日ブログの方にも書きましたが、何故山に登るのか? オモシレーからに決まってるじゃないですか。


10:55 a.m. 降り立った二の池湖畔がまたお花畑。ほんとにまったくよく飽きもせず咲いているものです。

小休止の後、賽の河原へ向かいす。ここがまた花が多いんですねえ。シオガマはもう遅いかも知れませんがウマズラソウ(コマクサの事)がまだ咲いていたくらいですから残っているかも知れません。

チングルマの綿毛が多いです。北アならこの時期でもまだ咲いている所もあるのでしょうが、御嶽ではこの時期は綿毛しか見られません。そして登りにかかる頃、ヨツバシオガマめっけ。


11:30 a.m. 白竜非難小屋前着。
覗くと三の池が翡翠色の水を湛えています。

もうこんな時刻。フルコースは時間的にしんどいです。帰りが遅くなると遠出した事がばれてしまいます。じゃあ摩利支天乗越でお昼にする事として、その登りに備えてパンでも齧るか。だんだん軟弱になってゆくtanuoさんです。
という事で少し先へ移動し風を避け三の池の眺望が良い所を探します。石に腰掛け小休止兼燃料補給。

しかしええ天気やなあ。地蔵峠の北寄り山の上に木曽福島スキー場が見えます。その北側手前に北に細長く末川沿いに集落が伸びています。その奥が月夜沢林道。あそこを越えると野麦街道に抜けます。女工哀史で有名な野麦峠がある所です。
感慨に耽った後は摩利支天乗越まで一登り。五の池或いは継子までだと通過点でしかありませんが、今日はここが最終地点。軟弱万歳!!


12:00 摩利支天乗越着。
祠に拍手の後、その裏側へ回ります。三の池を見下ろし周りが石で凹角状の風が避けられる良いランチサイトがあるのですが、足元を見るとクソ紙が。ゲゲッ、誰だこんな所をキジ場にする奴は。まあ眺望絶佳のランチサイトに良い場所は、同じく眺望絶佳のクソ場としての条件も満たしていますわなあ。しかしここは祠の裏側ですぞ! なんちゅう罰当たりなヤツなんだ。
仕方が無いので少し離れた場所に移動し、そこを今日のランチサイトとします。クッソ〜。

今日は早仕舞い。と決めたら急にのんびりムード。約一時間のお食事タイム。あ〜、極楽極楽。

13:00 でっぱつ。後は引き返すのみ。

コケモモの葉っぱも色付き始めています。ブルーベリーはどんなかな?っと見てみると、葉っぱの陰に隠れてかなり実が大きくなっています。まだ青いですが薄く紫色に染まりかけています。こりゃ秋が楽しみじゃて。これだから山は止められません。

二の池までのなだらかな斜面を登り返します。明るく澄み切った大気、周りの景色が光に満ち満ちています。終始爽やかな風に吹かれ快適な山歩きです。これだから山は止められません。

13:30 二の池通過。

王滝頂上へのトラバース道に入ります。ここで二の池は見納め。この先は草も生えない荒涼とした中の道です。行く手には王滝頂上の奇怪な岩のオブジェが手招きしています。
剣ヶ峰への道に合流すると王滝頂上はもう目の前。振り返ると登りではガスに閉ざされていた剣ヶ峰が姿を現しています。


14:00 王滝頂上通過。田の原目指して駆け下ります。

岩陰にオンタデの黄葉。大のぞきもガスが晴れ荒々しい岩肌を晒しています。


14:15 一口水で小休止。

まだ登ってくる人がいます。小屋泊まりでしょうか。天気も崩れそうにないし、明日もご来光が仰げると良いですね。

14:35 檻に入ったお不動さん着。ちょっとハイペースなので休憩を入れます。


15:10 駐車場着。
かなり雲が出ていますが大崩れも雷も無さそうです。今日も一日遊ばせて頂き有難うございました。
〆は温泉なのですが、うしげの湯は潰れちゃったしこもれびの湯も登り返しが大変、王滝の湯は遠過ぎて論外。温泉あらへんやん。御嶽は温泉がネックですね。桟温泉は駐車場に難あり。阿寺荘はチト遠い。結局欅の湯まで遠回り。相変わらず内税400円。お値段格安、温泉独り占め。御岳ロープの帰りなら良い立地なのですが、御岳ロープも潰れちゃったし。

帰り道は昼間の割りに順調。中津川から多治見まで中央道。ETC割で600円。こりゃまたお得。愛岐道路で遵法闘争車がいましたが前の車が煽ったら譲ってくれました。営業車って変な車には荒っぽいですねえ。そんな事ができないtanuoさんは漁夫の利?
19時過ぎには家に着きかみさんの帰宅前に余裕でセーフ。
この程度のコース取りなら御在所通勤で渋滞に巻き込まれたのと同じ。まあ何にしても今日も平穏に暮れました。


2012年08月26日09時15分00秒 記

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