○○ラン ドンピシャ

いよいよご対面の時がやってきました。
どんなかな〜っと段を上がってご拝謁。
やったね。ドンピシャ満開です。
それに花数も多いです。まだ蕾もあります。
やはり今日が正解でした。


20120721

先週大きく膨らんだ蕾がいっぱいだった○○ラン、今週は満開の筈です。 
シモツケも開花が進んでいる事でしょう。キンコウカ畑も一面金色に輝いているに違いありません。
これはもう石が降ろうが槍が降ろうが出かけない訳には参りません。(まるビのtanuoさんとしてはお金が降って欲しいのですが…。)
週初めの予報ではずっとお日様マークが続いていた筈なのに金曜から雨模様に変わってしまいました。お花見が目的なら景色は我慢しましょう。それにクソ暑く無いだけ儲けものです。おまけに駐車場の心配をしなくて良いのも大きなメリットです。何事も良い方に受け取るtanuoさんって人間が出来ていますねえ。なんちゃって。
朝玄関を出るとまだ地面が濡れています。でも空は明るく雨も降っていません。今の季節にはバッチリの天気です。
それが四日市市内を抜け湯ノ山街道に差し掛かると霧雨に。山が近付くにつれどんどん激しくなってきます。気が萎えてしまいますがとりあえず駐車場まで。
スカイラインに入る頃には小雨になり山肌に絡みつく山霧がなんとも幽玄な雰囲気です。自然はその時々で思いもしなかったものを見せてくれます。この景色を味わえただけでも来た甲斐があります。
思わぬ景色に気を良くして走っていると道路の真ん中にカモシカが立っています。ちょうど鳥居道のトイレを過ぎた辺りです。
咄嗟に急減速、驚かせないよう微速前進。近付くとまだ子供です。人を恐がらないのは親譲り、じっとこちらを見つめています。親とはぐれちゃったのでしょうか。もしかして餓死の運命? じゃあ往生してもらう為にも食べてあげなければならないのかな? ニホンカモシカは鹿ではなく牛の仲間、子牛のローストなんて軟らかくて旨そうじゃないですか。牛じゃなくてモミジでもtanuoさんは何でも頂けます。
とは言うものの今日はメタボ予防が最優先、カモシカちゃん、バイバイ。

6:35 a.m. 料金所跡駐車帯着。
えっ、何これ? 広い駐車場にはT尾さんの車が一台だけポツン。先日までの混雑が嘘のようです。そうか天気がイマイチだからか。それならもっと遅く起きれば良かったかな? 急に眠気が催してきます。

スカイライン沿いの合歓の花ももう咲いています。季節どおりに咲くものなのですね。


6:50 a.m. でっぱつ。
一の谷の水量が多いです。雨上がりだから当然ですが。
実は今日は雨かもしれないと思い山靴も持って来たのですが、道路も乾き始めていますし時々青空が覗いたりしているのでスニーカーにしたのです。
山の家への道は濡れた落ち葉がたっぷりと溜まっておりすぐ靴に滲みてきます。さすが900円のスニーカー、親水性100%です。
山の家の夏椿は? もうぼちぼち終わりかけのようです。それでも遅れ咲きの蕾がまだちらほら。雨だと開くのが遅いようです。

たっぷり水気を含んだ半ば腐葉土のような落ち葉を踏みながら樹林帯の道を行きます。もうしっかりと靴の中まで滲みています。おまけに蜘蛛の巣が顔や腕に絡み鬱陶しいです。露払いだけでなく蜘蛛の巣払いです。
谷の水が豪快に流れています。先週はすぐイワギボウシの花が出迎えてくれましたが今日はさっぱり。この辺りはもうすっかり花が終わっています。
見るものが無いので滝でも愛でながら行きましょう。


7:20 a.m. 不動滝着。

先週同様普段の涸滝とは見違えるほどの水量です。
小休止の後、巻き道を行きます。水けたっぷりの腐葉土を踏みながらゆくので、靴の中は既にズクズクです。「あ〜、鬱陶しい。」
谷に降りてからチラホラとイワギボウシが咲き残っていますがどれも既に時期遅れ。花期が短いですねえ。先週が真っ盛りだったようです。
流れを避けながら行きますがこれが結構楽しませてくれます。既にソールがズル剥けのスニーカーですが花崗岩の粗い岩肌にしっかりと食付き抜群のフリクションです。岩登り気分を味わいながら行くともう大岩。
濡れた大岩右側スラブもピタリとソールが張り付き快適です。

7:35 a.m. 大岩着。
既にハンカチはベタベタ。左の枝沢の水ですすぎ汗を拭います。拭っても拭っても留まるところを知らず、まさに湿度100%。
平坦な岩の上にドッカと腰を下ろし休憩します。ダベリングしているとついつい時間が経って行きます。

今日のメインイベント、○○ランが待っているので重い腰を上げでっぱつ。
小滝の連続帯は逃げる所が無いようなので左岸の巻き道からパスします。上から覗くと…、やはりこれが正解でした。これ以上靴を濡らしちゃ歩いている内に靴が脱げてしまいそうです。
大黒滝下も今日は顕著な流れがあり飛沫がかかります。汗か滝の飛沫かもう全身ベチョベチョです。
濡れたミズゴケに覆われた岩は滑り易く緊張します。
大黒滝も滝の名に恥じない水量です。
大黒滝を巻き、樋状滝を巻き、潜り岩の上で小休止。
左岸壁のキンコウカ畑も花が少ないです。かなりの花が既に萎れておりその上にはまだ蕾が控えているのですが。これも日が射さないと開花しないのでしょうか。
ここでもまたダベリング。年寄りは世間話が大好きです。

ここから先は大した流れもなくシモツケを探しながらのルンゼ歩き。早速指先ほどの小さいのがお出迎え。当然まだ蕾です。
そして直ぐ上にも。咲いているのもありますが雨に濡れて細かな花弁やおしべがくっついてしまっています。写真にゃ取れぬベチョベチュシモツケ。やはりシモツケソウは遠めには綿のようにふっくらフワフワが宜しいようで。

先週より確かに開花は進んでいますが、残念ながら雨に濡れ殆どがベチョベチョです。代わりに蕾でも撮っておきましょ。
この辺りまで来るとトンボも見かけるようになります。中道、ご無沙汰してますがオオバノトンボソウも大きく開いている事でしょう。
咲きかけのギボウシも見かけます。これも日が射すと一気に開花するのでしょう。

モウセンゴケがテリトリーを広げているように感じます。以前には無かったところにも頻繁に見かけるようになりました。
元気なのは解りますが、今日は開花しているものはありません。この花も日射しに合せて開花するのでしょうか。
下の方では終わりかけていたキンコウカがこの辺りではまだまだ元気です。水滴を宿した花々も風情があって良いものです。


8:40 a.m. いよいよご対面の時がやってきました。
どんなかな〜っと段を上がってご拝謁。やったね。ドンピシャ満開です。それに花数も多いです。まだ蕾もあります。やはり今日が正解でした。

ついでにその傍のシモツケ、キンコウカも。

本日のメインイベントも無事終了。景色は見えませんが大黒岩の展望台でティーパーティーとでもしましょう。
ベタベタの露を払いながら大黒岩尾根に攀じ登ります。

9:00 a.m. 展望台着。
正真正銘 五里霧中。固くなった美好餅をお茶うけに頂きます。夏場ということもあり冷蔵庫に入れておいたのですが、これは失敗でした。もっと涼しくなってから今度は冷蔵庫に入れずに持ってくる事にしましょう。
おらが村さの名物スイーツ、田舎の味のおおぶり大福は腹持ちが良く行動食には最適です。

のんびりしているとどんどん時間が経って行きます。アカン、ケツから根が生えちゃう。ぼちぼち出かけましょ。
周りは完全に灰色の世界。ガスが切れる気配すらありません。
富士見岩の方から人の声が聞こえます。出発時駐車場には我々の車しか無かったのですがその後やってきたのでしょう。こんな天気に物好きな人もいるものです。
アゼリア前に出るとベンチに数名。やはり物好きがいました。
鎌まで足を延ばすか武平から降りるか? どちらとも決まらぬまま望湖台へ。どうせ何も見えないのによく行くもんです。
望湖台は絶景でした。霧がよく見える事! こんなに沢山の霧が見えるなんて最高!
霧を堪能していると遥か下の方から微かに蝉の声。エゾハルです。そう言えば先週は本谷入り口からずっと鳴き通しでしたが今日は全く聞いていませんでした。先週よりかなり気温が低いって事でしょう。おかげでバテずに済みました。
ただ一面に立ちこめた、鈴鹿の山の霧の海、地獄谷のその向こう、白い底から遥々と、声が聞こえる、ゲーキョゲーキョケケケケケ〜♪
灰色の望湖台の景色を楽しんでいるとポツポツポツ。すぐ止むようにおまじないに傘を出します。
三角点まで引き返すと霧の中にシルエット。こちらを見ているようです。姿からすると女性のようです。近付くと、「あっ、スイーツお姉さん!」
「明日来れないから今日来ちゃいました。」ですって。もうしっかり嵌り込んでいます。これって山中毒? 別名マウンテナー・ホリック。実際山って習慣性があるんですね。きつい登りの後には脳内モルヒネのβ-エンドルフィンが大量に生成されえもいわれぬ快感を覚えます。tanuoさん言うところのクライマーズ・ハイです。
かく言う我々もその患者のひとりなのですが…。
雨は止む気配がありません。せっかくおまじないに傘を差したのに。お姉さんはロープウェイで降りるという選択肢もあるようですが、無一文のtanuoさんは自前の足しか選択肢がありません。遊歩道でお別れしてとぼとぼと峠道を降ります。
T尾さんがメタボ予防の為と鎌をけしかけますが、もうしっかりと武平からエスケープと決めています。そのT尾さん、傘も差さずに濡れ鼠です。出すのが面倒臭い? これって誰かの行動パターンじゃないですか。類は友を呼ぶ、言い得て妙なり。

年寄り臭い話で申し訳ありませんが、昔は雨だと行動を控えるのが普通でした。岩登りでなく尾根の縦走でもある程度の雨なら沈殿していたものです。それが今の中高年軍団、雨が降ろうが槍が降ろうがお構いなしで歩いています。文化の違い? 時間が勿体ない? よく解りませんがやはり違和感を感じます。雨では景色はもちろん楽しめません。それ以前に視界が悪く周りの状況把握が不充分になります。ルートを失ったり、落石滑落などの事故も雨の日の方が格段に多く発生しています。また濡れによる低体温も起こり易くなります。
リスクマネージメントの観点からすると雨などの悪天候時は入山しないか沈殿しているのが最善です。だから今日は武平からエスケープ。…ちょっとこじつけがましいですかね。
先ほど食べた美好餅がまだ胃袋を圧迫しています。これが動かずにいると脂肪となるのです。メタボ予防が半端になるのも悩ましいところです。これじゃあメタボ予防に来たのかメタボ進行に来たのか解りましぇ〜ん。
とは言いながらも武平峠を左折。事故リスクを回避してメタボリスクをテイクします。tanuoさん偉い!

雨はすっかり本降りに。スカイラインに出るとアスファルトの上を水が流れています。tanuoさんの夏靴はもうすっかり水浸し、歩く度に靴の中で靴下がジュップジュップと音を立てています。これだけ濡れてしまえば濡れを抑えようなんて気もありません。
T尾さんももう濡れ鼠のまんま平気で歩いています。お互い頭の中にあるのは、早く温泉!


10:45 a.m. 料金所跡駐車場着。
ええっ、駐車場が満杯になっています。
こんな雨でねえ、へえ〜。
あっ、人の事は言えませんね。一番乗りで出かけたのは我々でした。
傘を差したまま片付けものを済ませ運転席にビニルシートを被せて車に乗り込みます。ちょうど小腹も空いてきた事だしオニギリでも食べて。
温泉営業は11時から。それまでの時間潰しにのんびり寛ぎます。



2012年07月22日10時10分00秒 記

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