やっとおめもじ、別嬪ササユリ

まだ蕾ですがすっかりピンク色を帯びています。
咲くのは明日か明後日か?
そしてその先には…、「あった〜。」
咲いて間もないようですが夕べの雨にやられたようです。
おしべが水を含みブヨブヨになっています。
花弁にも汚れが付いています。
ああ無情、ああ雨情。それでも今シーズン一番のべっぴんさんです。


20120708

7月7日土曜日の早朝、仕度をして玄関のドアを開けると外は土砂降り。
え〜、曇りとちゃうのん? 小雨くらいなら行って見ようかと思いますが、この降りようでは車まで行くのも大変です。寝不足でもあり二度寝しちゃお。って事で本日のメタボ予防は中止です。

7月8日日曜日、昨日とは打って変わって良い天気です。
自宅を出て高台を通ると鈴鹿の山並みには雲がかかっていますがその内晴れそうな雰囲気です。これぞ梅雨の合間の皐月晴れ。もう文月なのですが。
日曜は23号線の車も少なくよく流れています。この分なららくらく駐車できるかな?

6:20 a.m. 料金所跡駐車帯は既に満車。駐車枠内には停められなくても道路にははみ出さずに停められそうです。それでも気の小さなtanuoさんはそういった停め方が出来ません。
Iさんの車も見当たらないし、じゃあ表道の下まで行っちゃいましょ。
という訳で今日は表道から。こちらはまだ2台しか停まっていません。百間滝へ行くのでしょうか、ドタ靴を履いた熟年カップルの姿が見えます。「うんうん、こっちはマイナーでガラガラやなあ。」
車の中で朝食を摂りながら辺りを見回します。天気は無茶苦茶良さそうですが山頂一帯にはまだ分厚い雲が纏わり着いています。風がかなり強いのですぐ晴れると踏んでいるのですが。それにしても凄い風です。車が揺れています。

6:40 a.m. でっぱつ。
風が強く寒いくらいです。気温も低く強烈な陽射しも寒さを和らげてくれるようで返って有難いです。

いきなりの急登。爽やかな日とは言え、汗がほとばしります。濡れた枯れ葉に覆われ湿った道は夏靴(スニーカー)では滑り易いです。落っこちないよう気をつけて…。
地蔵岩の上のササユリ、先週あれだけ大きな蕾だったのですから今日はもうダメでしょうね。他には蕾も見当たらなかったし。うん、今日は表道で正解って事にしときましょ。それにもしかしてこちらで綺麗なのを見つけられるかもしれません。
キョロキョロと見回しながら行きますが目欲しいものはありません。

しかし日当たりの良い尾根ですね。今日のこの爽やかさが無かったらとてもこの季節には採れないコースです。それこそ熱中症でコロリと行っちゃいます。
グイグイと面白いように高度を上げて行くともうお不動さん。枝を掃ってくれた木の間から百間滝を望みます。「おお、凄い水量。そうだ雨上がりだったんだ。」

反対側を覗きます。遥か下にスカイラインが走っています。もう武平峠とほぼ同じ標高まで登っています。「こりゃ速え〜や。」

ここを過ぎると傾斜が落ち、おまけに樹林帯の日陰に入って行きます。そうか、夏は太陽が北寄りから登るので朝の内は日陰になるのか。南側はアッパッパ〜なのですが。おかげで鎌がよく見える事。
相変わらず地面から滲みだした水が道を流れています。冷たい風と濡れた地面、そして日陰。この季節にこの涼しさは本当に有難いです。
それにしてもササユリは一本も無いですね。葉っぱすら見かけません。それに笹自体も少ないです。
あっシロモジの実が豊作です。ん? どうでも良いですね。

ササユリを探している内にいつのまにかもうダム下の渡渉点。脇道などに入ったりしますが有りません。それよりこのジュルジュル道、蛭が心配です。表道はまだ大丈夫かな? 地質はもろ花崗岩なのですが、最近は花崗岩だろうが何だろうがところ構わず蛭に席巻されていますもんね。
砂ザレ道を過ぎ山頂近くの草付きに出た所で発見! が、時既に遅し。もう見るも無残な姿。年増どころかこりゃもうミイラですがな。でも撮っとこ。


7:45 a.m. 山頂遊歩道に飛び出します。
のんびり登っても1時間で着いちゃうんですね。表道ってあっけないくらいです。
ダム下の渡渉点あたりからすっかりガスの中に入ってしまいました。当然遊歩道もガスの中です。濡れた半袖Tシャツが冷たいです〜う。お年寄りのtanuoさんはもう低体温の危険信号が発せられています。それなのにやせ我慢で望湖台へ向かいます。
山頂ですれ違う人は若い人ばかり。「お〜い、ジジババの皆さん、どこへ消えちゃったんですか〜?」急に居なくなると寂しいです。←ウソウソ

8:00 a.m. 望湖台着。

「速っ! ほんまかいな。」時計を見直しますが間違いありません。秒針も動いているし時計が止まった訳でもありません。
道端にあったササユリの葉っぱも壊滅状態です。うろちょろ見回しながら三角点の方へ戻るとあちこちのベンチに人が休んでいます。その中に見覚えのある【タイツのお姉さん】またの名を【スイーツのお姉さん】。先週T尾さんがもの欲しそうに指を加えてみていたお姉さんです。
お年寄りのtanuoさんはまたちょっかいを出します。年寄りには困ったものです。
なんでも中道がフィールドアスレチックをやっているみたいで嵌ってしまったそうです。おまけに体力も付くしダイエットにもなるし健康にも良い。初めてお会いしたイワカガミの頃から皆勤だそうです。
ムムッ、もしかしてIお母さん第二号? フィールドアスレチックみたいで楽しいって事は岩登りに嵌る資格を充分備えておられます。
高い所が恐いと仰ってましたが、これも饅頭恐いの類でしょう。

若いお姉さんと話しているとついしつこくなってしまうのでほどほどにして引き揚げます。後はT尾さん情報の岳峠の子と鎌尾根P-1の蕾だった子ふたり。
ササユリの花を擬人化して【あの子】【この子】と呼ぶのはIお母さんの影響です。すぐ人の影響を受けるtanuoさんってポリシーは無いのか!
峠道を降ります。本当に個体数が減りました。昔はササユリなんて気にした事はありません。気にしていなくても時期がくれば必ずどこかで咲きたての初々しい姿が見られたものでした。最近のように【年増ササユリ】で手を打とうなんて思った事もありません。そんなものに目をくれなくても綺麗どころがいっぱい控えていました。
ほんと、寂しいですねえ。無いとなると余計見たくなる人の心理も困ったものですが。

展望台まで降りてくるとすっかりガスが晴れました。せっかくなので小休止。岩の上からミズナラの木を見下ろします。
あっ、ドングリが着いています。今年はドングリも不作かと思っていましたがこれなら良さそうです。山の動物達の貴重な食料ですから。

ドングリは良いとしてササユリは完全に空振りのようです。ここは日当たりが良いので終わるのも早いのかもしれません。
峠手前のガレ場に日が射しています。雨乞岳は相変わらずガスに閉ざされたまま。鎌山頂もガスガスでしょう。暑くなくて良いですわ。


8:40 a.m. 武平峠着。

小休止して水分補給。今日はまだ何も固形物を口にしていません。いつもは皆さんからおすそ分けして頂いているのですが。
なにか口にしようかな? と思ったところに鎌からドヤドヤと昔のお姉さん三人連れ。あっ、居なくなった訳じゃないのか。まだ絶滅していませんでした。まだ生息しているんですねえ、一見若い人達に駆逐されちゃったように感じられますが。
かく言うtanuoさんも絶滅危惧種?
ピーチクパーチクあまりの姦しさ(パワフルさ)に圧倒され、なにも口にせずスゴスゴと鎌に向けでっぱつ。

道中、やはりな〜んも無い。リョウブの蕾でも撮っとこか。

天気は回復傾向です。鎌山頂のガスはかなり薄くなっています。振り返って御在所を望むとこちらはまだまだガスたっぷり。

9:25 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。

祠に拍手の後南側へ行きますが風が強そう。北側はモロに北西風が当たっています。この季節で暖かい場所を探そうとはついぞ思ってもみませんでした。
風無し日当たり良しの祠隣でお昼にします。
うん、ポカポカ暖かいです。今日はお湯を沸かすのはパス。パンとオニギリを齧ります。このパン、金曜の夜に買った調理パンだけど大丈夫かな? まあtanuoさんのまるビ胃袋なら大抵の物は消化しちゃいます。
ゆっくり寛いだ後でっぱつ。笹百合子ちゃんが待ってます。ん?まだ10時前? 今日はやはり早いです。表道万歳。

ん? 岳峠への降りでイワギボウシの蕾発見。その横にはイワキンバイ。あっちにもこっちにも。

岳峠を通り長石谷への分岐を過ぎ1mの位置。足に刺さりそうな大きな真っ赤な蕾が写っていたT尾さん情報。
「な〜んもあらへんやん。せめてクチャクチャのミイラでもありそうなものなんだけど。」と一帯を家捜しします。
あ〜、発見。地べたに首が落ちていました。ギロチン鹿にやられたか? なんだか悲しくなっちゃいます。断頭台の露と消えたマリーアントワネットみたいです。
せっかく咲いたのですから皆さんに見ていただこうと拾い上げ笹の上に飾ります。

暫く後で、「あれ? あんなことしたら晒し首みたいじゃん。」可哀想にマリーアントワネットの首を晒し者にしてしまいました。ごめんね、考え無しで。
そして鎌尾根P-1。

笹百合子ちゃんはもう目の前。百合子ちゃん〜、百合子ちゃん〜♪
「あった〜。」

まだ蕾ですがすっかりピンク色を帯びています。咲くのは明日か明後日か?
そしてその先には…、「あった〜。」
咲いて間もないようですが夕べの雨にやられたようです。おしべが水を含みブヨブヨになっています。花弁にも汚れが付いています。ああ無情、ああ雨情。それでも今シーズン一番のべっぴんさんです。

この子の為にはるばるやって来たのです。
尾根の乗越しまで降りてはたと考えます。今日の駐車は表道の下、ここから鎌まで登り返すかそれとも犬星滝から三ツ口谷へ抜けるか?
やはり料金所跡に停めればよかったかな? 犬星谷も最近は全く歩いていません。良い機会だから、白ハゲ-犬星滝-長石尾根-三ツ口谷-ダムから登り返して駐車地とルートを取る事とします。
降ってきた所為か天気が良くなったのか陽射しが戻り暖かくなって来ました。白ハゲ辺りも夏の光が溢れています。

風に震える〜、緑の草原〜♪ ラピュータの木の草原が風に震えています。夏とは思えない爽やかさです。御在所山頂もガスが切れたようです。


10:55 a.m. 犬星滝に降り立ちます。
なに?この水量。ヨセミテのブライダルベール滝ほどではありませんが、今日の犬星滝はまさにブライダルベールのようです。

久しぶりの犬星谷、かなり荒れています。おまけにこの水量の多さ、巻きを強いられる所もあり久しぶりにしんどいです。山靴でない所為もあり結構草臥れます。

長石尾根の尾根道に合流します。木漏れ日に輝く尾根道、気温が低く爽やかな風が頬を撫ぜて行きます。なんだか梅雨が明けてしまったような錯覚に襲われますがこれがほんとの五月晴れ。

11:40 a.m. やっと三ツ口谷に抜けました。
この後は三ツ口谷をダムまで降ります。光が溢れる三ツ口谷。本当に爽やかです。

ダムから少し登り返して修験場へ。ここを裏に抜ければ駐車地ですがスカイラインまでがブッシュが多そうなので橋を潜り反対側にでます。そして少しスカイラインを辿って駐車場へ。

12:00 車に帰着。
相変わらず風が強く爽やかです。ん?朝とは打って変わって車だらけ。

片付け物を済ませ温泉へ。さすがに道路まではみ出してはいませんが相変わらず凄い車です。日曜で好天って事もあり凄い人出ですね。


2012年07月08日21時40分00秒 記

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