北風ピーピューお花見Hike

そしていよいよメインデッシュ。
「ん? 蕾ばっかし。」
あちこち蕾はよく目立つくらい付いているのですが
開花しているのは見当たりません。
それでも開きそうなのをチョット反則して…。
「うん、開いているじゃありませんか。」


201200512

T尾さんからEメールで御在所情報を頂きました。
ヤクはまだ蕾。但し一輪だけ開いていたとの事。
11日は1000mから上は嵐だったそうです。木曜金曜と名古屋市内でも風が強く肌寒いくらいでしたから山の上ならさもありなん。
料金所跡駐車場は6時25分でもう満車だったとか。
目星を付けていたコシアブラの新芽を先行のおばさん軍団に丸裸にされたとかで山菜情報も。
花・山菜情報、天候、駐車場と必要な事が全て解り便利なものですね。感謝感謝。
それでは土曜日は早めに出る事として、途中のトイレ休憩もパスし、駐車地を確保してから青天でキジ撃ち。それでも満車なら少し上まで行き表道から登る事にしましょう。
料金所跡が空いていたら最短コースの本谷、空いてなかったら表道。望湖台から地獄谷、上水晶経由でヤク街道、コクイ谷、武平、とコース取りは決定です。ポカポカ陽気の快晴の下、さぞかし快適な事でしょう。
そして木金と冷え込んだのなら開花が終わったなんて事は無く丁度見頃であろうと決め付けています。
すべて予想通りのつもりでいたのですが…。

4:45 a.m. 自宅出発。この時点では予定通りです。
23号線は思ったより混んでいます。それでもそこそこのペースです。
四日市市内で踏み切りに捕まってしまいました。渋滞で数分、踏み切りでも数分の遅れです。イライラ。

6:30 a.m. 料金所跡駐車場着。10分ほど予定をオーバーしています。
時既に遅し、もう満車でした。そのまま通過し三ツ口ダム手前の駐車場に停めます。こちらは1台しか停まっていません。
急ぎ藪の中に身をひそめます。バキューン、ブリブリ。今日も快調です。
車に戻ると隣の車が出て行っちゃいました。駐車地を変えるのでしょうか。それとも芳しい香りに耐えかねたのでしょうか。広い駐車場に家の車が一台ポツン。「なんだ、急いで出てくる事はなかったじゃん。」
おもむろに仕度にかかります。

6:45 a.m. でっぱつ。
今日も寒いです。もしかして山頂は今日も嵐?(そんな事実際には全く思っていません。)それでも薄手のジャケットくらい持って来ても良かったかな?
振り返ると水を張った田圃や木曽三川の河口付近が朝陽に輝いています。「う〜ん、ええもんやなあ。」

三ツ口ダムの傍にも駐車スペースはありますが、傷を付けられるのも腹を擦るのも嫌だし。これくらいは歩きましょ。
修行場跡から表道に入ります。スカイラインの橋を潜って上に出るとその直ぐ上の路側帯に白線が引かれ駐車場になっています。そして要領のよい車が一台停まっています。「しまった、来週からはここに停めましょ。」
ここからはいきなりの階段歩きです。「ヒ〜、キク〜。」まあ上松尾根ほど距離があるわけじゃないので我慢我慢。しかしいきなり汗がほとばしります。
ヒーヒー言ってる目の前に可憐なイワカガミ。暫し苦しさを紛らわせてくれます。

法面工事で新たに付けられたコンクリートの階段を登ります。時々下を覗きこむと、「ヒエ〜。」キンキンが縮み上がりえもいわれぬ快感に酔いしれます。←あんたは変態か。

すぐお不動さんの前に出ます。「えっ、百間滝が一望の下。」どうやら登山客の為に目障りだった杉の木の枝を掃ってくれたようです。おかげで百間滝が丸見えです。残念ながら今日は水があまり流れていませんが。
振り返れば新緑に輝く湯ノ山の谷の向こうに伊勢平野、左手にはこれも新緑萌える日陰尾根、その奥には鎌ヶ岳がどっしり。

一息入れてからまた階段歩き。「ふ〜、キッツ〜。」
そう言えば表道って未だ嘗て登りに取った事は無かったのでした。通常は悪天時のエスケープルート。今日のように天気が良い日に登りに取るってのも新鮮で好いものですねえ。
登るに従い傾斜も落ちジグザグを切るようになります。「あ〜楽チン。」
目を癒してくれるものはミツバツツジとアシビの新芽。真っ赤です。

砂ザレ道が出てくるともう直ぐ水源ダム下の渡渉点。
この頃になるとだんだん雲行きが悪くなってきました。山頂はガスってるのかな? それにかなり気温も低いようです。お手てが冷たいんです〜。

最後の階段を上り詰めるとアゼリヤ裏手の遊歩道に出ます。

7:50 a.m. 遊歩道に飛び出しました。

風もかなりあります。ときどき冷たい小雨が叩きつけます。
ジャケットが無いので合羽の上だけ羽織ります。そして手袋も嵌めます。不精者のtanuoさんは手袋も万年入れっぱなし。セーターも羽毛服も入れっぱなし。いついかなる天候異変にも常に対応するべく入れっぱなしにしているのです。決して不精なだけではありません。なんちゃって。
年寄は低体温症になりやすいので早め早めに保温に努めます。
合羽じゃ暑いかな? と思いましたが丁度よいくらいです。かなり気温が低いようです。T尾さんが嵐だったって言っていたくらいですから今日もまだ完全に回復はしていないのでしょう。
そんな事を思いながら歩いていると急に薄日が射したりします。春に3日の晴れ間無し。御在所に3分の晴れ間無し。あっという間にまた小雨が吹き付けます。う〜、ちゃっぷいちゃっぷい。

8:05 a.m. 望湖台着。

こんな天気じゃ、ヤクはまだ蕾のままかもしれません。それでも折角来たんだから行かない訳には参りません。寒い望湖台は素通りしてすぐ地獄谷に降ります。
雨に濡れた木の幹は掴まる度に手袋を濡らして行きます。露を含んだ下草はズボンの裾を濡らして行きます。だんだん手がかじかんできます。【無謀中高年御在所で疲労凍死。】有り得なくないだけに慎重に降りて行きます。「明日は我が身、明日は我が身。」

雪の無いガラガラの地獄谷は歩き難いです。濡れた木の根はよく滑ります。ミズゴケの付いた石はよく滑ります。ドン臭い中高年のtanuoさんはツルッと滑ってやらかしてしもうた。流れに右手を突っ込み手袋ベチョベチョ。
外して絞りますが先ほどのようにかじかんでいません。そう言えば風も治まっています。小雨も降っていません。身体も寒くありません。そうです。もうすぐ滝。大分降ってきたようです。ガスも晴れてきました。まあ落ち着いてボチボチ行きましょ。だってまだ8時半じゃん。

滝が近付いてきました。滝の真上にミツバツツジ。

巻き道を降ります。「おお、よう滑る。恐い恐い。」雪がないと本当に恐い所ですな。またまたケツの穴がモゾモゾ。「ヒ〜、カイカン。」


8:45 a.m. 地獄谷出合着。

上水晶谷に沿って降ります。やけにピンクのテープが目立ちます。多少ガスっていても蛍光ピンクって視認性が良いですね。おまけに風になびいて動くので余計に目立ちます。人間も動物、動くものには敏感です。これだけそこらじゅうに巻き付けてあれば迷う人もいないでしょう。
こちらの谷は山頂より天気が良くないかと思いましたが、だんだん良くなってきました。ガスもすっかり晴れ薄日が射しています。
春色に輝く沢の流れ、深く沈んだ渕の色も心なしか温もりを感じます。


9:05 a.m. 分岐の二つ岩通過。

渡渉してすぐの所にご覧の看板。この新しいものの他に新旧合わせて3つもあります。古いのは説明不足が否めませんがこれなら絶対迷いようがありません。

そしていよいよトリカブト群落が現れ始めました。ヤクも間近です。

ヤクを心待ちにまず前菜から頂きます。

そしていよいよメインデッシュ。「ん? 蕾ばっかし。」
あちこち蕾はよく目立つくらい付いているのですが開花しているのは見当たりません。
それでも開きそうなのをチョット反則して…。「うん、開いているじゃありませんか。」

その先はもっと固い蕾ばかり。チョット残念ですが、まあ一輪だけ中が覗けたし。えっ、生娘を手篭めにしただろうって? う〜ん、むにゃむにゃ。
その他はフモトスミレかキランソウ。こんなもんイランソウ。


9:30 a.m. コクイ谷出合着。

青空が覗くと周りの緑が鮮やかに輝きます。お日様燦々ポカポカと暖かいです。対岸が日当たりが良さそうなので渡ります。日溜りが恋しい季節に逆戻り? 先週の岳峠では日傘を差している人もいたのに。

まだこんな時刻。食事には早いしお茶だけにして、時間待ちしてれば気温が上がり先ほどのヤクも開花するかもしれません。
ではティータイムに。と思いながらお湯を沸かします。今日もてっきり暑いくらいだろうと思い先週に続き残量の少ないガスボンベを持ってきました。新しいボンベもあるのですが時間も有り余っている事だしショボイ方を使います。が、ちっとも沸きません。その内寒くなってきました。「朝食も摂ってない事だし、ブランチにしちゃおっと。」
今日のカップ麺は坦々麺、ピリ辛が身体を芯から温めてくれます。デザートにバナナ、シメは紅茶。結局毎度のフルコース。
腹も膨れたし身体も温まったし、ぼちぼち引き返してヤクでも見に行きますか。

10:10 a.m. でっぱつ。
少し下流に丸木橋が組んであったので今度はそれを使って渡ります。
しかしなあ一時間も経ってないし、気温も上がってないし。
そして、「ああ、やっぱり。」蕾は固いまんま。
次の群落へ行こうとすると前方から人が。なんとその中にM先生。お互い考える事は同じ。「今日辺り…。」でも時期尚早でした。
立ち話しているとその後からIさん夫妻。Iさん達も御在所山頂でM先生と会い一緒にヤク観賞に来たそうです。
時間待ちして再度見に行くところだと言うと一輪だけ開きかけていたと言います。デジカメモニタで先ほど手篭めにした子を見せると、これだと言います。という事はあれ以上開いていないという事。
引き返しても仕方がないので皆さんと合流して引き揚げる事にします。総勢6人でコクイ谷遡行です。

石楠花はまだ早いだろうと思っていたら、Iお父さんが発見。かなり高い所に沢山咲いています。高過ぎて写真に撮れないのが残念。
でもこれならクラ谷の方も咲いているかもしれません。ヤクの次はナゲの探索に切り替えます。
ほころびかけの蕾は偶に見かけますが咲いていたのは先ほどのものだけ。全体的に花芽も少ないです。

ナゲは無いか〜、ナゲは無いか〜。ナゲは無いけど渕の水が綺麗です。

沢谷分岐を直進しクラ谷に向かいますが全く咲いていません。花芽も殆ど見かけません。
沢谷の滝下まで来るとクラ谷への小滝の前の渕が深くなっています。へつられるスタンスもありません。足場作りに石を放り込むにはちょっと深過ぎます。ナゲも咲いていないしここは無理せず引き返す事にします。
分岐に戻り沢谷の滝を今度は横から見ます。

良く見ると滝の向こうに少しだけナゲが咲いています。クラ谷の巻き道に入りパチリ。


11:35 a.m. 雨乞岳分岐の釜跡にて小休止。
暑くなったのでここでやっと合羽を脱ぎます。

M先生のお連れさんが御在所の山腹道を嫌いいっぷく峠からスカイラインへ降りるというのでご一緒します。一度郡界尾根に振り沢谷峠手前からの急な降りです。「スカイラインの登りがしんどいかな?」と思いましたが緩やかな登りでお喋りしている内にもう武平トンネル。結構楽チンです。
スカイライン沿いは新緑が鮮やかに輝いています。この時期の緑って本当に色彩豊かですね。

後はスカイラインに沿う登山道を忠実に辿ります。いつもスカイラインとショートカットばかりなので久しぶりに新鮮でした。
三ツ口ダムで皆さんと別れ駐車地に向かいます。

12:55 車に帰着。
今日は久しぶりに冬の寒さを味わいました。温泉で身体の芯から暖めます。
来週はヤクはどうでしょうね。丁度見頃か、時既に遅しか。
ナゲはどうでしょうねえ。馬の背はそろそろかな?

帰宅後家の前にナゲの大群落。凄い凄い、満開です。ん?葉っぱが違うな。あっ、ツツジでした。大呆けのtanuoさんでした。



2012年05月12日22時50分00秒 記

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