春の嵐

アイゼン、つるはし、スパッツ、
今日は何も持ってきていません。
全て倉庫に仕舞っちゃいました。
まあこんなものでしょうな。
ほんと御在所の神様はへそ曲がり。
ソリ広場は真冬の様相、
立木も氷漬け、周りは雨氷林、
看板にも氷がべっとり。


20120401

春は天気の周期が一週間。毎週土曜日に天気が崩れ日曜は晴れマーク。おかげで御在所通勤は日曜出勤ばかりです。
まあ日曜の方が道路が空いていて良いのですが。
菰野町に入り道路横の案内看板に目を遣りながら行きます。しかしスカイライン開通の案内はまだ出ていません。御在所山頂はまた雪が降ったのか白くなっています。こんな様子ではなかなかゲートは開けて貰えそうにありません。
それでは温泉街から行きますか。

6:50 a.m. 湯ノ山最奥駐車場着。
既にほぼ満杯になっています。空いている奥に停めます。ん?今日も常連さん方は皆勤です。M先生もいらっしゃいます。今日は賑やかですな。
早速仕度にかかります。

7:00 a.m. でっぱつ。
山頂付近が真っ白です。雪か霧氷か、辿り着くまで消えないで欲しいですね。

この冷え込みでショウジョウバカマの花芽も出るのを渋っているようです。10の瞳で探しながら行くのですが…。
やっと見つけた一輪、まだほころびかけです。

里の桜も遅れ気味だし、まだまだ春は遅いです。

7:25 a.m. ロープウェイ下。
相変わらずここのマンサクだけがひとり気をはき春を謳っています。もう3週連続で満開状態ですが、この寒さで持ちが良くなっているのでしょう。

マンサクを撮っていると下の方でなんだか盛り上がっています。降りて行くと咲いているショウジョウバカマを発見との事。
丁度登山道脇で木の葉の陰になっている所です。しかしよく見つけるものです。一体どんな眼をしているのでしょ。
早速私も今年の初物にお相伴に預からせて頂きます。


7:40 a.m. 岩棚着。
花粉症の鼻炎薬を飲んできた所為か口が不味く喉が渇きます。tanuoさんにしては珍しく早速水をゴックン。
御在所はすっかり晴れ上がり、青空の下山頂の霧氷が白く輝いています。早く行こうよこの峰越えて〜♪

時々薄日が射す中を行きます。尾根に出ても先週のような風がなく気温の低さも気になりません。
あちこち霜柱で浮き上がった地面を踏みながら行きます。4月に入ってからの季節はずれのプレゼント、じっくり味わわせて頂きます。
マンサクはロープウェイ下と地蔵岩の傍だけ。他はことごとく不作です。凹角上の岩塔横もほぼ全滅。三輪ほど咲いていました。その手前にほころびかけの蕾を発見。俵型の蕾の先が割れ折り畳まれた黄色い花弁が覗いています。


8:10 a.m. 北谷テラス着。
富士見岩尾根の岩峰の上に霧氷は見えません。代わりに姿を現した国見岳山頂一帯が真っ白です。

この辺り一帯の岩や木の幹に雪が固く張り付いています。強風で吹き付けられそれが固まったようです。とすると山頂一帯が白いのもこれかも知れません。遠目には霧氷に見えるから霧氷って事にしておきますか。

8:20 a.m. 掘割ドンツキ。
正面のエルガーフェイスが圧巻です。雪の目地はありませんが、周りの樹枝に雨氷が凍り付いています。下から見えた白いのは雨氷だったのですね。完全に透明氷となっています。これはこれで綺麗なものです。

傍にはツララが垂れています。木の枝を伝って出来たツララが芸術的な造形です。その下の斜面には崩れたばかりの霜柱。4月という花の季節の初日に冬の便り。御在所の神様はホントへそ曲がりです。

岩稜帯に飛び出すと雨氷の世界、トラバース箇所は氷の回廊。こんな季節になっても小面憎いほど楽しませてくれます。


8:30 a.m. 上のテラス着。
ガスで煙っているのかと思ったら粉雪です。国見峠から流されて来る粉雪が回り込んでこの辺り一帯を舞っています。こりゃ冷える筈ですわ。

すぐ上の岩にはベルグラがべっとり。Iお母さんはそれを剥がしながら岩にルートを採って行きます。ベルグラ剥がしが余程お気に召したようです。新雪は足跡だらけにするし、霜柱は皆崩すし、ベルグラも皆剥がすし、「後の人に残しておいて下さい。」という声が聞こえます。皆さん気がお若いですね。
そしてガレから上は雨氷林。日が射すとキラキラと綺麗でしょうねえ。


8:45 a.m. 富士見岩着。
粉雪が舞い視界が悪いです。山頂一帯はこんな天気なのでしょう。摩利支天像のお賽銭箱は今日は氷漬け。やはり気温はかなり低いようです。

朝陽台へ向かう途中、時々薄日が射します。さすがに春の陽射し、薄日でもかなりの暖かさを感じます。
レーダードーム横から遊歩道へ抜けます。ところどころ凍っておりよく滑ります。アイゼン、つるはし、スパッツ、今日は何も持ってきていません。全て倉庫に仕舞っちゃいました。まあこんなものでしょうな。ほんと御在所の神様はへそ曲がり。
ソリ広場は真冬の様相、立木も氷漬け、周りは雨氷林、看板にも氷がべっとり。

自然学校前で小休止。草餅を頂きバナナを頂き、皆さんとご一緒だと食うに困りません。
美味しく頂いているとM先生の携帯に訃報が。急遽M先生は武平からエスケープする事に。
皆さん携帯電話を常時お持ちなんですね。車に置きっぱなしのtanuoさんが異常なのでしょうか?

季節はずれの雪が舞う中望湖台へ向かいます。寒いには寒いですが真冬の冷たさとは違います。
タテヤマリンドウの群生地も雪の下。皆が皆、今日はこれ目当てだったそうです。思いもよらぬ大雪に思惑は大外れ。まっ、良いか。
三角点への階段でM先生と別れます。「お気を付けて。」

9:25 a.m. 望湖台着。
思ったとおり雨乞岳は見えません。御在所からの西尾根が雪に煙って見えます。一瞬これを雨乞と勘違いしちゃいます。そういえば形は似てるなあ。

この辺りの樹枝には雨氷でなく霧氷が付いています。岩にもオキアミの尻尾が着いています。
寒いの嫌よ。と直ぐ引き返します。さすがにもう記念碑広場までのショートカットは出来ません。三角点経由で正規の道を辿ります。
記念碑広場南面、東屋の少し南側のシロヤシオの大木の根元などのタテリンの群生地はことごとく雪の下。こりゃもう暫く先までお預けですな。
峠道を降ります。粉雪混じりの西風が頬に当たり冷たいです。ジャケットのフードを被って凌ぎます。
展望台からは掘割の中。風が当たらなくなると急に暖かく感じます。正面の鎌ヶ岳山頂一帯はガスっています。御在所同様あれは粉雪が降っているのでしょう。

9:50 a.m. 武平峠着。
こんな天気だし上は吹雪いているし、もうここから降りちゃおうかなあ。でももう少し汗かいておきたいなあ。てな訳で一息入れてからやはりでっぱつ。
ほとんど雪の消えた道を行きます。その黒い道に降りたての細かな雪が薄っすらと乗っています。陽が射すと瞬く間に消えてしまうような儚い薄化粧です。

10:45 a.m. 鎌ヶ岳山頂着。
細かな粉雪が乱舞しています。北側も南側も展望はなし。祠にお参りだけして早々に降ります。

降りは最短コースで尾根コースから三ツ口谷。
急な降りです。途中で雪渓の上に出て降ります。思ったより雪が固く尻餅ペッタン。そのまま止まれず滑って行きます。すわ滑落! 横のブッシュに逃げなんとか止まりました。
「つるはし持ってないしなあ。」なんて言った端からこのていたらく。このグータラさが事故に繋がるんですね。もっと自重しましょ。

谷コースとの分岐辺りまで降りてくると雪も止み空も明るくなってきました。おまけに風の陰に入ったようで寒風もありません。
谷へ降りランチタイム。青空が覗き日が射したりまた曇ったり。山頂とは打って変わって穏やかなランチサイトです。
でっぱつ前にお母さんがお花摘みに。そこで本物の花を見つけてしまいました。バイカオーレンです。こんな所に群生地があったとは。いつも通らない所を偵察する為にももっとドンドンお花摘み、雉撃ちに出かけましょう。
まだ蕾が多いですが本日の大収穫です。


怪我の功名の大収穫の後でっぱつ。時刻は11時40分。三ツ口谷を降ります。

雪がすっかり無くなった三ツ口谷、大水でも出たのか様子が大きく変わっています。相当な大雨が降ったようです。
谷沿いにはあちこちにバイカオーレンが蕾を付けています。これで長石谷へはまた足が遠のいてしまいそうです。

最奥ダムに出ると正面の御在所山頂はまだ白いままです。ホント遅くまで楽しませてくれますねえ。


12:20 三ツ口ダム。

先週の開きかけのショウジョウバカマは開きかけのまま萎れていました。やはり開きかけた所を雪にやられたのでしょう。
堰堤への階段の登り口でまたもやおかあさんが発見。これは本当の開きかけ若々しさと逞しさが溢れています。

これぞ本当のショウジョウバカマ。本日の大収穫第二段。
ダムを過ぎ三滝川沿いの道からスカイラインへ出ます。道沿いのアシビももう咲いています。ちょっと花数が少なく寂しいですね。

そして山の家にさしかかったところでまたもやお母さんの鋭い眼が光ります。
とうとう見つけました。完全に開いているショウジョウバカマ。

周りの木々も冬とは違う色に変わっています。キブシ、ヤシャブシなどの樺類も雄花が色鮮やかに膨らんでいます。

4月の雪に惑わされてもやはり季節は巡っています。遅れているとは言え、桜ももう直ぐです。

12:50 駐車場着。
今日は一日寒かったです。後は温泉で身体を温めて。


2012年04月01日22時50分00秒 記

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