雪遊びHike

それではぼちぼち降りますか。
胸のすくような急傾斜。
スキーの崖落ち気分です。
「ヒ〜、快感。」


20120114

朝、車の窓は凍っていません。シメシメと乗り込むと外気温+2.5℃の表示。「へ〜、暖かいんだ〜。」
走り始めるとポツポツと雨がフロントガラスをたたきます。漆黒の空には星が煌めいているのですが…。どこかから流されてくるのでしょう。しかしどこにもそんな大きな雲は見当たりません。気配はすれども正体見えず、けったいなな〜。
夕暮れは年末に比べ目に見えて遅くなっていますが、日の出は相変わらず遅いです。それでもそろそろ早くなりかける頃です。このペースなら7時前には湯ノ山に着きます。雲さえ無ければモルゲンロートにまみえるのですが、たぶん今日も駄目でしょうね。こちらまで小雨が飛ばされて来るようでは。

6:50 a.m. 湯ノ山最奥駐車場着。
薄化粧の道路に着いた轍を見る限り2-3台かと思われましたが着いてみるとかなり停まっています。小雪が舞っている中やってくるなんて暇な人が多いのですねえ。人の事が言える立場ではありませんが。
Iさんの車が真ん中に停まっています。それを避けて正面にお尻から突っ込みますが降り口がぬかるんでいます。丁度Iさんの車が移動したのでそちらへ場所を変えます。
車の中で靴を履き外へ出るとIおかあさんがひとり。なんでもお父さんは仕事で送迎までしてくれているとの事。なんとまあお優しい。
そこへM先生がやってきました。お久しぶりです。いやまだ明けましておめでとうですね。今日はおひとりだそうです。
すぐ追いつくとの事なのでロートルtanuoサンたちは先にでっぱつです。
舞っていた小雪も止んでしまいました。空はかなり明るくなりましたがどうせ上は降っている事でしょう。
先週のふかふか新雪も締まりその表面に薄っすらと今日の新雪が被っています。これだけ締まっていれば歩き易いです。山頂一帯の雪も締まっているであろう事に期待しながら行きます。
駐車場到着時の外気温が0℃、風も無く歩き始めると直ぐ汗ばんできます。今日も暑くなりそう。なんちゃって。

8:00 a.m. 岩棚着。

雲と大地の隙間から伊勢湾に映った太陽を望みます。この時期よく目にする光景です。言い換えればいつも曇っているって事ですか。
締まった雪が歩き易いです。地面の凹凸がなくなり平坦な傾斜を行くだけなので脚力を使わず楽チンです。締まった雪ってこれだから大好き。
いろんなシチュエーションの雪の話をしながら歩いている内にもうキレット。

キレットから振り返るともう降り口にM先生の姿。「速え〜。」

8:30 a.m. 北谷テラス着。

相変わらず空はどんより。小雪が舞っています。先週と比べ風が無いので暖かいです。そう言えば先週はここでジャケットを羽織ったのですが、今日はこのまま行きます。
Iお母さんはここでアイゼンを着けます。この先の掘割は締まった雪の斜面が続くので富士山の予行演習です。M先生とtanuoさんは面倒臭がり屋なのでビブラムのまんま。
登り始めると思った通り、ステップの無い締まった斜面が続きます。皆さんアイゼンを着けられる所為でしょうか。また降りでステップを崩して行くふとどき者が居るものですから…犯人は私達です。先週の降りはずっと滑って降りてきました。(でも自分で付けたステップなんだから良いじゃん。)
Iお母さんはツァッケを効かしてどんどん行きます。小気味良いほどよく効いています。反対に我々はズルズル滑りながらの登行です。インサイドを蹴込みながらハの字で行くのですが如何せんしっかり締まっているものですから。
岩稜帯から右へ巻き込む辺りは深雪帯。高度が上がり湿気が抜けてきた所為かさらさらした良い雪です。フリース地のカッターも汗の湿気が抜け降っている小雪が付かなくなってきました。軽く払うだけできれいに落ちてくれます。これこれこれですよ。これが本当の冬の雪。

上のテラスからはまた締まった雪の斜面。ズルズルやりながら登って行きます。
辺りは既に樹氷林。今日もまた同じ木を写してしまいました。先週より視界が悪いです。あ〜、青空が欲しい。日の光が欲しい。

視界が全く効かないので富士見岩はパス。朝陽台へ向かいます。網タイツに付着した霧氷が綺麗です。私は本物のお姉さんの履いた網タイツの方が好みですが。


9:25 a.m. 朝陽台着。

雪が舞う中遊歩道の除雪作業をやっています。巻き上げられた雪が辺りを埋めています。それが吹雪となってこちらへ飛んできます。「う〜、チメタイチメタイ。」
しかし視界が悪いです。辺り一面灰色の世界。

アゼリア横の人工氷瀑も近付かないと見えないくらい視界が効きません。ガスと雪とで。

今日も皆さん早仕舞いだとかで休憩無しで望湖台へ。
遊歩道の雪も中道同様しっかり締まっています。この分なら望湖台から記念碑広場へダイレクトに雪原を行けるかも。東屋までの降りも先週のコースが雪に嵌り込まずに行けるかも。
三角点から望湖台への小尾根には綺麗な雪庇が出来かけています。崩さないよう手前から雪原に出てその上を辿ります。それを崩したがっている人がいます。望湖台から記念碑までダイレクトに行くかもしれないと言うと、「帰りに通らないなら今ここで。」言うが早いかもう崩しています。「は〜。」


9:50 a.m. 望湖台着。
当然今日も何も見えません。琵琶湖はこことここの位置に見えて、雨乞いはこの方角。なんちゃって。
代わりにバーチャルでなくリアルな海老の尻尾でも写しておきましょ。

記念碑広場へのショートカットはまだ雪が締まりきっておらずパス。しかし夏道伝いに行っても積雪はしっかり締まっていて先週のような潜り込みはなし。軽快に歩けます。
そしておバカなtanuoさんは先週同様雪原へ飛び込みます。「ん?結構締まってるじゃん。」やはり股まで嵌り込む所もありますが先週ほど四苦八苦する事はありません。容易に遊歩道に抜け出しました。
ここで早仕舞いのIさんM先生とお別れ。おバカなtanuoさんは雪を求めて峠道。これくらい締まっていれば夕方のかみさんとのデートに遅れる事はないでしょう。
遊歩道には先行者の足跡がひとり。辿って行くと一本杉で休憩されていたようです。パスして行くと半ば雪に埋まった古いトレースが続いています。それを外すとやはりまだ締まりが足りず結構潜ります。それじゃあとそのトレースを辿ります。先週のものかなあ。人が歩いた跡ってのは大したものでしっかり締まっており潜るのは新雪分のみ。そのトレースもチロリン村広場辺りまで。先週土曜日にここから中道へ引き返したと言っていたM先生達の置き土産のようです。
てことはここからは踏み跡無し。「ウッシッシ〜、バージンスノーを犯しまくるぞ〜。」バージン大好きっ子のtanuoさんにも困ったものです。

掘割の埋まった峠道に飛び込みます。
かなり締まっておりさほど嵌り込む事も無く降って行きます。暫く行くと掘割が現れます。しっかり雪が詰まりどう見てもあそこへ行けば落ち込んでしまいそうな所は横のブッシュ帯に逃げます。
いよいよ行き詰まった所で意を決して飛び込みます。思ったより雪が締まっていて嵌り込む事もなく降って行きます。
天指し岩を過ぎると一気に雪が無くなりますが少ないのはここだけ。その下はまた雪の廊下が続いている筈です。

再度掘割に飛び込むと右側から大きな雪が覆い被さってきます。「ぼちぼちつるはしでも出すか。」シャフトで張り出した雪の塊を切り落としながら降って行きます。こんなに楽チンならIさん達も誘ってあげれば良かったかな? 武平峠はもう目と鼻の先。


10:35 a.m. 武平峠着。

鎌へのトレースは無し。登り口は例年通り大きな雪壁になっています。2日もここを登って少し上から降りたのでした。折角きたのだからいつも通り少し登り返します。2日より雪壁は大きくなっていますがしっかり締まっており小気味良く登れます。
登ったところで小休止。おしっこをして、パンでも齧りましょ。そう言えば今日もまだ水の一滴も口にしていませんでした。一息入れてからの出発とします。

それではぼちぼち降りますか。胸のすくような急傾斜。スキーの崖落ち気分です。「ヒ〜、快感。」
その後はあちこちで崖落ちしながら降って行きます。こんな事雪があるから出来る事。雪まみれになりながら転げ落ちてゆきます。ヒ〜ハ〜。
あっちゅうまにスカイライン。古いトレースを辿りますが20cmくらい潜ります。結構固いのですがガサッ、グサッと嵌りながら一歩一歩歩みます。
あちこちショートカットしながら再度スカイラインに出ると西多古地の滝。今日は2日の日より下まで凍っています。降雪が視界を妨げコントラストが悪いのが残念です。

法面工事の済んだ崩壊地跡を見上げながら降って行きます。表道から人が降って来るかもしれないので要注意です。
そして表道と合流。その前の雪の造形をパチリ。

表道と合流する頃から自分の影が微かに地面に映っているのが解ります。どうやら薄日が射し始めたようです。
修験場跡まで来るとかなりはっきりした影が映し出されます。いよいよ空も明るくなってきました。先週も降りてきたら良い天気だったし、この季節はこんな天気が多いですね。

11:30 a.m. 駐車場着。
ん? M先生の車がまだ停まっています。
10時頃別れたから遅くても11時には戻っていた筈です。なにかあったのかな? いや皆さん山慣れた人達、遊んでいるのかもしれません。
ロートルのtanuoさんは温泉目指して降ります。早く解凍して温まりたいです〜ウ。



2012年01月14日23時00分00秒 記

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